投資を始めるとほとんどの人はまず最初に「お宝探し(銘柄選び)」を始めます。
「元本保証で利回りの高いもの」はないかと雑誌やネット、口コミなどで探しますが、本人の努力とは裏腹に、多くの人に幸運の女神が微笑むことはありません。
投資のプロでさえお宝探しは極めて困難なのですから、まして投資の初心者が公開された雑誌の情報などから「ダイヤモンド」を見つけようとすること自体が無理なのです。
はっきり言ってお宝探しは無駄な努力です。
市場は効率的ですから株価などに影響する情報は瞬時に価格に反映され、いつまでも割安な価格にほって置かれることはありません。
したがってどの銘柄も適正な価格になっていると考えるのが正しい判断となります。
これを効率的市場仮説といいますが、仮説ですから当然反論(反証)もあり、真実とは言えませんが、多くのプロが運用する投資信託が市場平均以下の成績しか出せないことから、ほぼ正しいと言ってよいと思います。
機関投資家の多くがこの考え方をもとにアクティブ運用(お宝が探せる腕利きのファンドマネージャーに運用を任せること)からインデックス運用(市場平均への投資)へ比重を移しています。
注
新興国市場では開示情報が少なく非効率的(情報の偏在などのアノマリーがある)なので、プロの情報通は「お宝」を見つけやすくなっていると考えられます。その結果新興国市場では「素人」がカモにされる可能性も高いと言えます。
したがって、DCの運用を始める人は、投資する「銘柄」選びに時間を掛けてはいけません。
(後述しますが、コスト面の銘柄選びはとても大切です。)
では投資の勉強は必要ないのかと言えばそうではなく、経済状況全般(マクロ経済)について情報を集め、理解し、「市場全体の動き」を判断できるようにしなければなりません。
マクロ経済情報の例
GDP(国内総生産)、景気動向指数(DI)、日銀短観、企業物価指数、マネーストック、長期金利(10年国債利回り)、株価、為替
そして大事なことは、「市場全体の動き」から判断して、株式、債券、不動産、商品などについてどのように資産を配分(アセットアロケーション)すべきなのかを決めることなのです。
この資産の配分表(投資銘柄一覧表)のことをポートフォリオといいます。
投資で最も大切なことはポートフォリオの作成であり、この決定により運用成績の80%が決まってしまいます。
ですから、投資は「はじめにポートフォリオありき」なのです。
注
前回の投稿(その6)で投資は資産全体を考えて配分を決定としています。従ってポートフォリオの作成においてはDC資産以外の資産(定期預金など)も加えて作成するのが原則です。
投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その1)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その2)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その3)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その4)
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