昭和の生き残りのような人たちが個別株などの物色についてあ~だ、こ~だと講釈していますが、時代は平成も終わりすでに令和になったのですから,このような人たちには速やかに退場してもらいたいものです。
方や素人FPさんが「ETFは投資初心者に最適です。」とかばかなことを言っていますが、ETFを買っている主体が機関投資家やヘッジファンドであることを知らないのでしょうか。
参考
日本経済新聞 電子版記事より
「QUICK・ファクトセットによると、米大手ヘッジファンド50社が2月末時点で最も多く保有するのはS&P500種株価指数に連動するETF。」
日本でETFの普及が進んでいない原因として、素人を騙して儲けようとする「昭和的な業界人」がまだまだ多いのが原因と思われます。
そこでETFの現状がどうなっているのか?
川島FPが懇切丁寧に解説したいと思います。
まず最初にETF(Exchange Traded Fund、上場投資信託)について、何が一般の投資信託と違うのか?
一般の投資信託は「多数の投資家からの資金を1つの基金にまとめ専門の運用者が分散投資」しています。
つまり投資家は一定のルールのもと、プロの運用者にお金を預け、投資を肩代わりしてもらう方法が投資信託なのです。
この仕組みでは、投資家と運用者は相対取引となります。
投資信託の運用者は、投資家からの資金の増減に対応して、株式などを売買し、同時にインデックスとの乖離を防ぐため、たいへんな手間をかけているので、非効率であり、どうしても信託報酬は高めになります。
また投資家はリアルタイムで価額を知ることはできず、売買は営業日に1回しかできませんし、指値での取引は困難です。
これに対してETFでは、インデックスを構成する銘柄を一括購入し、その資産価値を小口の受益証券(ETF)に分けて、株式と同様に取引所に上場し、市場に広く流通させます。
したがってETFは市場で売買されるので、一括購入した株式等の増減にはまったく影響しません。
しかもETFは市場で取引されるため、その価額はリアルタイムで算出され、指値で取引でき、市場が開いている限り、いつでも何回でも売買ができます。
ETFの流通と切り離された株式等に増減は無く、運用者は倉庫番だけしていれば良いので、売買に伴う各種諸費用は根絶され、効率化され、信託報酬は激安となります。
ETFが「20世紀最大の発明」と言われる所以がここにあります。
つまり一般の投資信託に対してETFは使い勝手が格段に良くなり、しかも手数料は激安なので、この5年間で2倍に成長しています。(平均で年率15%の伸び)
この使い勝手の良さとローコストが機関投資家に認められ、今やプロのデーラーやヘッジファンドなどは敬遠され、ETFが市場の主役となりました。
したがってETFは、年金や保険など機関投資家の活用が急増しているのが現状なのです。
参考
Bloomberg記事より「株式トレーダー、ウォール街の絶滅危惧種か」
参考
機関投資家がETFを買う理由
1 金、新興国、石油その他のオルタナティブへの分散投資が手軽にできる点
2 逃げ足が速く、機動的な運用に便利な点
11月末の日本の現状として、株式投信109兆円(5,961本)の内、ETF(195本)は43兆円(39%)となっています。
そして「投資初心者」の日本銀行は、ETFの保有残高が30兆円を超え、その保有比率は約80%にもなっています。
と言うことは、我が国でETFの利便性を最もよく理解しているのは日本銀行のみと言えそうです。・・・それとも初心者なのかな?
意見
がっかりすることは、個人投資家へもETFは普及してきていますが、その主体がレバレッジ型とは・・・
個人投資家へのETFの普及は「昭和的な業界人」のサポタージュにより遅々として進みませんが、金融庁の獅子奮迅の戦いに期待するしかないのかも知れません。
とはいうものの日本国内でもETFの進化は徐々に進んでおり、三菱UFJ国際投信は「ETFの手数料を世界最低とする。」と発表しました。
参考
三菱UFJ国際投信が2020年1月に投入する「MSCI全世界株指数」に連動する上場投信の運用手数料は年0.0858%(税込み)。(100万円の投資で個人の負担額は年858円)
以上より、賢い投資家の皆様は、ローコストでお手軽お気軽に分散投資ができるETFを買い持ちされますようお勧め致します。
そうすれば絶対儲かる!・・・かも知れません。
参考
「ETF資産6兆ドル、市場の主役」