2012年5月21日月曜日

賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その5)

☆ DCを始める前の大事な注意点

2012年1月より企業型DCでも本人の拠出(マッチング拠出)が認められるようになりました。

これを良い機会にDCはお得な制度ですから、限度額一杯まで拠出しようと思っている方がおられるかも知れませんが、ちょっと待ってください。

DCへ資金の多くを拠出してしまったら60歳まで引き出せませんから、結婚資金や子供の教育費、マンション購入の頭金などその他のほしいものが買えなくなってしまいます。

DCの欠点は、60歳まで自由な引き出しができない点です。

したがってDCへの拠出額はかなり慎重に検討しなければなりません。

たとえば、20歳代の独身者であるなら、当面は結婚資金が必要でしょうから、銀行預金などが適切です。

5年後、10年後にマンション購入をお考えなら、財形貯蓄やネット定期などがよいと思います。

子供が生まれたのなら、中学入学、高校入学、大学入学に合わせた貯蓄を始めなければなりません。

ですから、当面、2~3年後、5~10年後をしっかり考えてライフプランを作り、老後資金としてどのくらいをDCの掛け金とすべきなのかしっかり考えなければなりません。

けっして無理をして本人拠出額(掛け金)を増やしてはいけません。

個人の拠出額(掛け金)の変更は年一回できますから、長期的なライフプランを毎年見直しながらDCの拠出額を決めてください。


☆ 住宅ローンなどがある場合

はっきりしていることは、DCの運用で住宅ローン金利を上回るほど儲けることはほぼ不可能だということです。

1年や2年の短期においてDCの運用で儲けることはあると思いますが、住宅ローン返済の全期間に渡ってローン金利を上回ることは不可能です。

ですから住宅ローンがある方は、余裕資金は最優先でローン返済に当てることが最もお得なお金の使い方となります。

住宅ローンに限らずカードローン(リボ払等)など「借金」がある方は、いずれにしろ余裕資金すべてをローン返済に充てることをお考えください。

ローンがない人のみが資産運用を始める資格があるのです。


さて何十年か先のハッピーリタイヤメントを目指してこつこつと貯蓄(掛け金の積立)し、そしてその資産を大事に運用すればその夢は叶います。


以下は、そのためのノウハウです。

DC運用の心構え

  私もそうですが投資家というものは目先のおいしそうな話にすぐ食いついてしまいます。
毎月配当があって利回りが10%超などと証券会社などから説明されるとすぐその手に乗ってしまいます。

そうして「うまい話」と思った投信は買ったとたんに暴落してしまうのです。

証券会社が詐欺だとは言いませんが、投資家として目先の利益ばかりを追いかけていると儲けることはできないということを「反省」を含めて理解しておく必要があります。

DCはいずれにしろ60歳まで引き出すことができませんから、じっくりと腰を据えて運用することになります。

バートン・マルキールは「ウォール街のランタ゜ム・ウォーカー」で「一般投資家にとっては、個別の株式銘柄を売買したり積極運用される投資信託で儲けようとするよりも、インデックス・ファンドを購入してじっと待っている方が遙かによい結果につながる。」と書いています。

リーマン・ショック以来DCの運用をされておられる方は株価の急落に対して「右往左往」して、多くの方が値下がりした投資信託を「損切り」し安全な確定利回り商品にスイッチされたようです。

マルキール博士の教えに従えばその対策は「間違い」です。

正解は「何もしない。」ことです。

何もしなければ売買に伴うコスト(手数料)を払うこともなく、何年かすればやがて値下がりした価格も回復するはずです。

つまり、長期投資で大きなリターンを得ようと思うなら、信託報酬の安いインデックス・ファンドを購入し、いったん購入したら後は「何もしない」のがもっともよい投資戦略なのです。

この戦略はファンドマネージャーなどのプロには決して出来ない方法です。
強い意志をもってこの戦略を実行すれば、かなりの確率であなたはプロに勝つことができるでしょう。

しかし個人投資家というものは、一旦お金の運用を始めると、そわそわし何かお得情報はないかと探し始めてしまうのも仕方のない心理ではあります。

ですから証券会社や銀行そして保険会社などはそういった心理を衝いて次から次へと「お得」情報を持ってくるのです。

でもはっきり言ってFPとして私の知る限り売り込み情報には一つとしてあなたにとって「お得」となる情報はありません。

世の中には「金」だ、「中国」だ、「仕組み預金」だ、「通貨選択」だとか次から次と儲かり情報があふれていますが、それらは販売会社が儲けるための商品であって、あなたを儲けさせるために言っているのではないことを理解する必要があります。

だって本当に儲かり情報なら誰にも言わずに知っている人たちだけで投資をするはずです。(いわゆるインサイダー取引)



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賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その1)

賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その2)

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