2010年4月29日木曜日

投資のプロはサルに勝てるか?

投資銀行に勤めているファンドマネージャーは学歴も高く、24時間休み無く市場をウォッチし、あらゆる投資対象の情報を収集分析し、数百億円を右から左に瞬時に動かしていますから、数千万円の高給はあたりまえで、ビシッとしたスーツで高級車を乗り回しても文句を言われる筋合いではないと思います。

このような人から市場分析や今後の見通しを聞いていると、よしっ!この話に乗ってガッポリ儲けるぞと思ってしまいます。

でも「この投資のプロはどうしてサラリーマンをしているのだろう?」自分でガッポリ設ければいいのにって思いませんか?
きっと何か深い訳があるのでしょう。

ランダム・ウォーカーの分析によると投資のプロは利益を出していないそうです。
なぜでしょうか?

ここで比較のためにサルを登場させます。
そうダーツを投げるのがうまいサルです。
新聞の株式欄に100回ダーツを投げて当たった銘柄を買います。この銘柄すべての平均価格はたぶんTOPIXに連動して動くはずです。

さて投資のプロは全力で市場を分析し、アナリストの推奨銘柄を聞き、全勢力を傾けて投資対象を選び100銘柄に投資しました。
その結果めでたくTOPIXを1%上回る成果をあげました。メデタシメデタシ。では終わりません。
ファンドマネージャーの仕事は「お客様」に儲けさせることが仕事です。

「お客様」は儲かるでしょうか?

TOPIXを1%上回る成果は賞賛に値しますが、信託報酬で2%取られていたら、TOPIX-1%の成果にしかなりません。

「それならサルにたのんでタダで銘柄を選んだ方がよかった!」のではないでしょうか?

投資のプロはサルには勝てないということです。

訂正します。
信託報酬というハンデのため市場平均を上回る成果を出し続けることは極めて困難なのです。
しかも有能なファンドマネージャーほどコスト(信託報酬)が高くなります。

とすると投資家にとって「プロが運用する投資信託」に果たして意味があるのでしょうか?

プロの運用=安心できる(儲かりそう)というのは証券会社が作り出した「虚構の世界」と言っても言い過ぎではないと思います。