2010年5月31日月曜日

ランダム・ウォーカーは嫌われ者?

世の中にあまりに多くのペテン師や詐欺師やまやかしの広告が氾濫しているので、善良なる個人投資家の皆さんが惑わされないよう、改めてランダム・ウォーク理論について概略を記したいと思います。

バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」(株式投資の不滅の真理)より引用させていただきます。

著者のマルキールは、過去の株式投資、債券投資、不動産投資などから、最新の投資理論、投資技術までを徹底的に調査し、個人投資家が投資で成功する方法を発見し、その真理の啓蒙に力を注いでいます。

その発見したこととは、
○市場における株価形成は、きわめて効率的である。
解説:いわゆる効率的市場仮説と言われており、世の中のあらゆる事象は瞬時に株価に反映されるため、市場には割安なまま放置された株式はない。

○物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である。
解説:ランダム・ウォークの考え方。つまりプロのアナリストや、投資コンサルタントなどの分析、予測、予想などをいくら聞いたところで、何の役にも立たないということ。

アナリストやチャーティストたちは、割安なお宝の発見に血眼になり、またあらゆるデータから未来を予測しようとします。
それらの膨大な努力は、結局報われることはないというのですから、彼らからランダム・ウォーカーが嫌われるのは当然でしょう。

しかし、アナリストやチャーティストたちの予測は当たっているのでしょうか。?
投資の世界ははっきりと結果が出ます。アナリストやチャーティストたちの勝ちなのか、ランダム・ウォーカーの勝ちなのか。

結論は、投資のプロはサルに勝てないと言うランダム・ウォーカーの予言どおりになっています。
ですからアナリストやチャーティストたちは、効率的市場仮説やランダム・ウォーカーを目の敵にするか無視したいのです。

投資本やネット広告で過去の成績を誇らしく載せているのをよく見ますが、たまたま投資の女神が微笑んだだけなのに、そのことで早計にも「未来が分かる」予言者だと思いこむのは、いかにもバカげています。

ただ個人投資家、それも勉強熱心な人ほど、このような広告に惑わされてしまうのが残念です。(競馬新聞やパチンコ必勝本を一生懸命分析している人のほうが、私は合理性があり、勝つ可能性が高まると思っています。)

詐欺師たちに惑わされることなく、真理に目覚めたいと思った方は次を参考にしてください。

[ランダム・ウォーク理論が教える投資手法]
1 分散投資
世界中のあらゆる投資対象(相関関係の低いもの)を組み合わせること。

2 自分で実施困難な場合はコストが安いインデックス・ファンドに投資すること。

3 頻繁な売買はコストを高めるので、投資したら、後はなにもしないこと。(長期投資に徹し、目先の損得に一喜一憂しないこと。)

4 人気の投資対象(市場平均のPERを越えるもの)には手を出さないこと。
(雑誌などの投資情報に惑わされないこと。)

ランダム・ウォーク理論については個人投資家だけではなく、機関投資家も採用している投資手法です。

これまでの高コストのプロの投資成績にがっかりした機関投資家がたどり着いた投資手法がインデックス・ファンド投資なのです。

世の中に「強欲」がはびこるかぎり「儲け話は」尽きないと思いますが、マルキール先生に習い、私も「ランダム・ウォーク理論」の普及に努め、個人投資家の明るい未来実現のお手伝いをしたいと思っています。

参考
株価分析の方法
投資家は何を信じればよいのか
投資信託の選び方
投資のプロはサルに勝てるか?
投資のプロは詐欺師なのか?
個人投資家はどうしたらよいか?
儲けたい人のためのETF講座

投資は自己責任でお願いします。