2018年8月17日金曜日

セカンドライフの資産運用のノウハウ(金融機関に騙されるな!) その2


日経電子版記事「増えるファンドラップ 高コストでも顧客ひき付ける」より。
日本経済新聞 電子版  前田昌孝氏 2018/9/12 5:30

記事の要旨

1 平成13年からのアベノミクス景気に大手銀行などが悪乗りし、テレビCMなどを盛んに打った結果、ラップ口座残高は年率28.3%も伸びた。(平成13年が約1兆円 → 平成18年が約8兆円)

2 ラップ口座の顧客は高齢者であり、資産運用の煩わしさを避け、高コストであることも分からずに、銀行などにお任せ運用してもらうことにメリットを感じている。

3 ラップ口座の一人当たりの平均残高は1,091万円で、もっぱら富裕層や準富裕層がご利用されている。

4 一方、年金世代に大人気(訳も分からずに買わされた人が多数)の毎月分配型投信は解約が止まらず、今年7月までの流出額が2017年を上回った。

5 この解約された資金はラップ口座に流れ、大手銀行や証券会社はますますこの口座獲得に躍起になっている。

6 その結果、野村證券はラップ口座からの利益が、株式の委託売買手数料と投信販売手数料を上回ったようでウハウハ状態。

注意
多少の偏見を含んだまとめとなっております。


以上の状況に対して日経の記事では、

『ファンドラップの手数料は決して低くはない。例えば野村証券では投資顧問料が最大で運用資産の0.4104%(固定報酬制の場合、税込み、年率)、運用管理料が最大で運用資産の1.296%(税込み、年率)かかる。

このほかに投信の信託報酬が信託財産の0.65~2.05%(同)かかり、解約時には信託財産留保額(最大で信託財産の0.5%)も徴収される。

20年も運用すれば、合計の手数料は投資元本の50%を優に超え、証券界内部からも「やや高すぎる」との声も出る。』

つまり高齢者に対して「バッカじゃないのぉ?」と言っている・・・のかも知れません。

私もまったく同感で有り、高齢者のアホさ加減と金融業界のあくどさがよく分かる良い記事です。

ちなみに、日経記事のデータを元に、試算してみますと、

0.4104+1.296+1.65=3.3064%

1,000万円をラップ口座に預けると、毎年約33万円ぐらいぼったくられそうです。

そして10年間ラップ口座を続けると約330万円、20年間で660万円ぐらい手数料として取られそうですから、これって儲かるのかな~~?


とは言うものの「富裕層や準富裕層」が損するか儲けるのかはどうでもよいので、賢い投資家になりたい方へ、私からセカンドライフの資産運用ノウハウをお伝えしたいと思います。

1 最も大事な点は「専門家の投資成績は素人と同じ」と言うことです。これは実証されています。つまり専門家に任せることで、余計なコストが掛かる分だけ損失が多くなります。(はっきり言って、ラップ口座の運用者にはファンドマネージャーのような投資の専門家はいません。素人ばかりです。)

参考
「株のプロ」の話をうのみにしてはいけない3つの理由

2 自分で投資商品が選べないのであれば、まずネット証券に口座を開設し、こちらの講座を参考にしてETFを買いましょう。(重ねて言いますが、なけなしのお金をすべて株式などのリスク性商品につぎ込まないことです。年金生活の方は投資額の約30%程度に抑えましょう。残りの70%は債券(国債)・金がよいでしょう。)

3 ETFの選択では、株式ならTOPIX(東京市場)やS&P500(ニューヨーク市場)などの知られたインデックスがよいでしょう。そしてできるだけドル建て資産も加えましょう。

4 税務処理が面倒なら、税理士さんにお願いしましょう。税理士の手数料は公明正大で、銀行のように裏でこそこそと顧客の資産をかすめ取るようなことはしません。

5 一度投資したら、取りあえず5年ぐらいは投資したことも忘れてしまいましょう。リーマンショックのようなことがあっても、投資残高など確認しても何もできないので、一切見ないのが最も賢い対策です。

以上ご参考としてください。

つづく


その1

その3


投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。