ETF(上場投資信託)の選び方
ETFと限定していますが、結局は、投資信託の選び方にもなります・・・
ここでETFに限定している理由は、ETFではない投資信託(ミューチュアルファンド)は初めから選ぶ価値はないということで、バッサリと切り捨てさせていただきました。
その理由は、上場されていない投資信託は、投信会社との相対取引となるため不自由、不透明、高コストであり、信託報酬の高さとリターンの高さにはまったく相関がない(関係ない)ことが明らかですから、1%を超えるような投資信託なんてジョーダンじゃないということで、ETFだけに限定させていただきました。
ここ数年の傾向より私の見方は、これまでの投資信託という仕組みが過去のものとなりつつあり、やがてはすべてETFになってしまうと思っています。
注意
銀行や証券会社御用のFPで投資信託とETFを比較し、メリット、デメリットをいかにも公平に比較しているコラムがありますが、たぶん本音ではETFしか買っていないのでは。
自分が思ってもいないことを平気で記事にするっていうのは良心が痛まないのかな?
参考
投資信託の中で市場に上場されているものがETF(上場投資信託)です。
一般の投資信託は上場されていませんから、投信会社でしか価額は分かりませんし、売買も投信会社との相対取引となります。
例:
MAXIS トピックス上場投信 → ETF
上場インデックス JPX日経インデックス400 → ETF
eMAXIS 先進国株式インデックス → 一般の投資信託
ニッセイ外国株式インデックス・ファンド → 一般の投資信託
ではETFの選び方
1 低コスト
信託報酬(経費率/運用管理費用)はとにかく低いもの。
将来どの投資信託が儲かるのかは誰にも分かりません。1回2回はまぐれで当てる人がいるかも知れませんが、プロでも当て続けられる人はいません。
これまでリターンが良かったからと言って1年後2年後も儲かるかどうかは神様次第なので、高いリターンばかりを見て皮算用しても裏切られる可能性の方が高いということです。
したがって将来のリターンを高める確実な方法は、年間の維持コストを下げることであり、今できる唯一の方法なのです。
参考
“アクティブVSパッシブ”新手法で検証、コストが明暗
アクティブ最後の砦「アロケーション」さえも揺らすパッシブの止まらぬ勢い
補足としてTOPIXやMSCIの指数に連動する投資信託(ETFを含む)についてはリターンが同じですから、商品選択の基準はコストだけです。
例 おすすめのETF
MAXIS トピックス上場投信 信託報酬 0.08%
バンガード®・トータル・ストック・マーケットETF(VTI) 経費率 0.05%
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) 経費率 0.17%
上記のVTIの経費率0.05%とは、投資額を100万円とすると1年間の経費が1コイン500円だけなのでダントツの低コスト商品と言えます。
反対におすすめしない投資信託は「毎月分配型」「通貨選択型」です。
特に山崎元氏がこちらに書かれている第4世代の毎月分配型はグロテスクであり、この運用会社や販売会社はやがては社会から指弾されることになると思います。
2 流動性
ETFの利点はいつでも市場で売買できることです。
しかし純資産総額が小さいと、市場に出回る株数が低下し、チョットしたことで売り(買い)が枯渇してしまいます。(乖離率も大きくなります。)
したがってETFの選択では「寄らば大樹」、とにかく純資産総額が大きいもの、月間出来高の多いものを選ぶことです。
参考
頻繁に取引売買されているETFのスプレッド(売り気配-買い気配の差額)はわずか数セント(3~5円程度)です。
それと、TOPIXや日経225などの「知られた指数」以外に「訳の分からない指数」に連動するETFがありますが、ゴミですから避けましょう。
「知られた指数」以外の「訳の分からない指数」の問題点は2つあります。
まず「特定業種」などの指数については投資先を絞った結果として分散効果が期待できない(リスクを高める)こと、そして「高配当」などの場合は投資先の選択に余計なコストを掛けすぎることの2点です。
参考
「知られた指数」のTOPIX、JPX日経400、日経225を比較した場合、もっとも分散効果が期待できるのはTOPIXとなります。
なぜ「訳の分からない指数」が多いのかについては、「知られた指数」の優位性は明らかなのですが、「知られた指数」では先行するETFや純資産総額が大きいETFに対して後発組のセールスポイントはなにもない(同じ指数ですからリターンは同じ)ので価格競争(信託報酬の値下げ)しか道はありません。
後発弱小組にとって消耗戦はとにかく避けなければならないということで、「訳の分からない指数」を考え、売り上げを伸ばそうとしているのです。
いずれにしろメジャーな「知られた指数」以外はゴミですから、係わらないことが御身のためです。
注意
ゴミだからと言って儲からない訳ではありません。
私が言いたいことは、これらのETFは高コストであり、分散効果が低くリスクを高めているため、長期投資においては注意が必要だと考えているからです。
また、「知られた指数以外」の商品はスキマ商品となるため、純資産残高が少なく流動性に難点が有り、常に繰り上げ償還の危険性がついてまわります。
参考
7月8日で繰り上げ償還されたETF(日興AM)
1316、上場インデックスファンドTOPIX100日本大型株
1317、上場インデックスファンドTOPIX Mid400日本中型株
1318、上場インデックスファンドTOPIX Small日本小型株
1544、上場インデックスファンド日本株式(MSCIジャパン)
1556、上場インデックスファンド日経中国関連株50
参考
30年ほど昔にβ(ベータ)ブームがありましたが、またぞろ「スマートβ」とか言って投資家をだまそうとするたくらみが復活しています。しかし5年後には消えて無くなる運命ですから、「スマートβ」を売りにしている投資信託も避けましょう。
理由はともかく「分散投資」に反する手段方法は一過性のブームにしかなりません。
東証、名証に上場されているETF一覧をページの最後に添付しています。
(2015年6月末時点)
モダンポートフォリオ理論にもとづく「分散投資」は、行き着くところは結局、国内、海外に拘わらずなるべく広く分散することでリスクを減らすことができますから、国内ファンド・海外ファンドをあまり区別する必要はありません。
国内の投資信託の中に、バンガードなどのETFを組み込んだものがありますが、海外ETFはネット証券での取扱が増え、また東証への上場もかなり増加してきているため、直接海外ETFを購入した方がお得な場合がありますから、国内と海外の壁が低くなりつつあります。
したがって、結局のところ海外ETFを含めコストの安いETFを選ぶことがおすすめです。
前記バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の現在の経費率は0.05%ですから、とてもおすすめです。
国内では、MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信がとてもよいのですが、信託報酬が0.25%とVTIの5倍もあり、コストで負けています。(比較についてはこちらをご覧ください。)
また次の商品は、手数料が安く投資信託としてはとても良いと思いますが、いかんせんコストや機能性ではETFに勝てません。
eMAXIS 先進国株式インデックス 運用管理費用(信託報酬) 0.648%
ニッセイ外国株式インデックス・ファンド 運用管理費用(信託報酬) 0.4212%
(為替の影響については「超簡単・・・お金の運用法(その4)」に書く予定です。)
最後に「投資家のニーズ」に答えるため、様々なETFが作られていますが、「投資家のニーズ」=”儲けたい!!”とすると選ぶべき投資信託は極めて限られてしまいます。
”儲けたい!!”と思っているあなたは前記の選び方によりたぶん正解にたどり着けるはずです。
ただしネット証券口座で買うことが前提です。(ETFは銀行で取り扱っていません。証券会社でも海外ETFを扱っていないところがあります。)
儲けたい人のためのETF講座(その1)
儲けたい人のためのETF講座(その2)
儲けたい人のためのETF講座(その3)
儲けたい人のためのETF講座(その4)
儲けたい人のためのETF講座(その5)
儲けたい人のためのETF講座(その6)
儲けたい人のためのETF講座(その7)
儲けたい人のためのETF講座(その8)
儲けたい人のためのETF講座(その9)
儲けたい人のためのETF講座(その10補足)
レバレッジETFのしくみと危険性について
参考
東証、名証に上場されているETF一覧 (2015年6月末時点)