2012年5月24日木曜日

賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その2)

(2) 自営業者や学生などの年金制度

日本国内に住んでいる人(居住者)は、国籍にかかわらず厚生年金、国民年金、共済年金のどれかに必ず加入しなければなりません。(皆年金制度)

サラリーマンで週30時間以上働いている人(パートや派遣社員を含む)は、本人の意思にかかわらず厚生年金に加入することが義務づけられています。

厚生年金に加入していない人は、公務員等やサラリーマンの妻(3号被保険者)を除き、原則として国民年金に加入しなければなりません。

国民年金では、国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人(国籍は問いません。)はすべて被保険者となります。

保険料は一律で平成23年度は月額15,020円(年間納付額180,240円)です。
サラリーマンではありませんから、保険料は日本年金機構から送られてくる納付書により自分で支払います。

20歳以上の学生(昼間)は、本人に所得がなければ、両親の所得に関係なく保険料が免除されます。(この期間は25年の資格期間としては加算されますが、年金額の計算では加算されません。)

保険料を40年間(480月)納付すると65歳から79万円(満額)の年金が一生涯給付されます。

65歳時点の平均余命から一生涯の給付累計額を計算すると、男性は1,763万円、女性は2,237万円もらえます。

ちなみに明治安田生命の「年金ひとすじワイド」で試算すると、月額保険料1万5千円、保険期間20歳~60歳とすると、60歳から10年間96.3万円の基本年金がもらえ、10年保証期間付終身年金の場合の年金額は約46万円もらえます。(配当金もあります。)

一生涯の受取額を計算すると、男性は約1,040万円、女性は約1,288万円もらえます。(独自の推定額です。)

この試算結果から、国民年金は、年金ひとすじワイドにくらべ概ね1.7倍お得になると言えます。

注 国民年金保険料は毎年値上げされ2017年4月に16.900円となります。この保険料を元に計算しても国民年金は、年金ひとすじワイドにくらべ概ね1.5倍お得と言えます。

注 国民年金制度は、世代間扶養の考え方なので、保険料は個人別の口座に貯蓄されるのではなく、今年被保険者から集めた保険料は今年の高齢者への年金給付に当てられています。

国民年金は、65歳からの老齢給付の他に、障害基礎年金、遺族基礎年金などの保険機能もあり、また保険料全額が社会保険料控除されます。

年間の社会保険料控除額が180,240円にもなりますから、個人年金保険の5万円控除(平成24年から4万円に減額)よりも税金が毎年3.6倍もお得になります。(約2万7千円税金が安くなります。)

さて個人年金保険が売れている理由として国の財政に対する不安があると思います。

日本の国の財政はたしかに「破産」が目前に迫っています。

したがって以上の試算は絵に描いた餅となる可能性は十分にあります。

しかしだからと言って「民間保険」の方が安心とは言えません。

なぜなら、民間の保険会社は責任準備金の7割を日本国債で運用しており、日本が破産したら、国債はデフォルト(借金の踏み倒し)となり、保険会社や銀行が真っ先にその被害者となるため倒産する会社が続出します。

国家は税収というキャッシュフローがありますから、緊縮財政は強いられるものの、社会福祉制度がまったくなくなるわけではありません。

日本国内に居住している限り国家よりも信頼できる会社はないのです。



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