たこ足配当が知れ渡り「毎月決算型ファンド」から資金流出が止まりません。
参考 たこ足配当
儲かっていないにもかかわらず、毎月配当金(たこ足配当)を支払い続けている投資信託のこと。この配当金の原資は、投資家の投資元本であるため、基準価額はどんどん目減りしてゆきます。名目は配当金ですが、実質は投資元本の払い戻し(貯金のとりくずし)であり、おまけにこの払い戻しでは手数料もぼったくられています。
一方、毎月分配金がほしい投資家ニーズは根強く、この要望に応えるため、手を変え品を変え新手が考え出されています。
モーニングスターによると「予想分配金提示型ファンド」への資金流入が加速しているそうです。
「毎月決算型で存在感高まる「予想分配金提示型」、資金流入加速・設定相次ぐ」
参考
「予想分配金提示型ファンド」 たこ足配当をしないことを約束した「毎月決算型ファンド」です。つまり儲かったときだけ配当しますという投資信託です。(これって普通の投資信託と同じじゃないの?)
注意
個別の投資家の取得価額(個別元本)が異なるため、高値で買った購入者については、特別分配金(たこ足配当)が支払われることがあります。
こんなものが続々と設定され、いまや51本もあり、1,387億円の純資金が流入しており、過去最高を更新したそうです。
いずれにしても、目先をちょっと変えただけで投資家は騙されてしまうようです。
では「予想分配金提示型ファンド」とはいかなるものか、その本質部分をご紹介します。
具体的には「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」をとりあげます。
このファンドの諸元は次のとおりです。
・アライアンス・バーンスタイン株式会社
日本籍の資産運用会社
・運用資産額
約5兆円(2021年3月末現在)
○アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信について
(BコースおよびDコースは、R&Iファンド大賞を7年連続で受賞)
*投資対象
マザーファンドを通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資(アクティブ運用)
*マザーファンド(ファンド国籍: ルクセンブルグ)
アライアンス・バーンスタイン・米国大型グロース株マザーファンド(株式98.42%)
*純資産総額
59億2,464万米ドル(概算6,559億1,689万円)(2021年3月31日現在)
*ポートフォリオ
50~70銘柄程度
*ベンチマーク
S&P500株価指数(配当金込み)
*コース設定
A,Bコース:年2回決算、分配金あり、Aコースは為替ヘッジあり
C,Dコース:毎月決算、Cコースは為替ヘッジあり
C,Dコースの分配金は以下のとおり。
予想分配金提示型ファンドの特徴として、基準価額が一定額以下となったら、分配金が無くなるか、激減します。
参考
つまり、分配金を支払うと、ファンドの純資産が目減りし、元本の成長には不利になると言っています。
*手数料等
購入手数料 上限3.3%
信託財産留保額 なし
運用管理費用 1.727%
税金 決算するたびに20.315%の税金が天引きされる(所得税+地方税)
さてこのファンドのコース別もうかり度はどうなっているのか?