お勧めのETF
昨年米モーニングスターが初めて優秀ETFを発表しました。
「ベスト・ETF・プロバイダー」5部門のうち米国株式と業種別株式部門でバンガードが受賞し、iシェアーズが国際株式と債券部門で、商品部門ではバークレイズ・バンクPLCのiPathがそれぞれ受賞しています。
この受賞したETFはお勧めです。
国産のETFは総資産の規模からしても手数料からしても箸にも棒にもかかりませんから当然受賞することもありません。(たぶん日本の投信業界が現状の体制(個人投資家をカモネギ扱いしている体制)のままでは未来永劫受賞することはないと思われます。)
米モーニングスターの評価基準は「手数料(信託報酬)の安さ」を第一にしています。
バンガードのETFはこの点高い評価を得ています。
投信会社は一般に証券会社などに所有されていますが、バンガードは世界で唯一、ファンドの投資家によって所有されています。
このため、一般の投信会社が親会社や銀行などの販売会社への利益還元を重視しているのに反し、バンガードではオーナーであるファンドの投資家への利益還元が最優先されるのです。
したがってバンガードのポリシーは、1にも2にも3にも「低コスト」であり、その具現化としてトータル・ストック・マーケット・インデックスファンドという巨大なファンド構造を作り上げています。
このファンドの構造は、個々のファンドを合体させ一体として運用することで運用の効率化を徹底的に追求し「ローコスト」を実現しています。
またインデックスファンドでは通常ベンチマークとしてMSCIが使用されていますが、このライセンス料がファンド・コストの30%にもなっており、昨年10月バンガードからより低コストの指数であるFTSEやCRSPなどに切り替えるとアナウンスされています。
CRSPインデックスは米国の約4000銘柄から構成されており、ほぼ米国株式市場の100%をカバーしている指数です。
この理由から私がお勧めするETFの第1が「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(ティッカーVTI)です。
信託報酬は0.06%(例:投資額100万円の場合は600円)、純資産総額約215億ドル(約1.9兆円)であり、世界中で最も低コストなETFの代表です。
ETFとしての純資産額は215億ドルですが、トータル・ストック・マーケット・インデックスファンドに組み込まれていますから、その合計の純資産総額は約1903億ドル(約17兆円)にもなります。
過去10年間のリターンは、インデックスが+6.12%に対してVTIは+6.1%、過去3年間ではインデックスが+16.93%に対してVTIは+16.92%、過去1年間ではインデックスが+3.96%に対してVTIは+3.94%となっています。(2012年6月現在)
このETFの販売はSBI証券、楽天証券、マネックス証券のみで取り扱われています。
海外ETFを購入する際の注意点として、買付手数料は1000株までが26.25ドル(約2300円)かかりますから、買付株数が少ないと割高になります。
またこのETFは米ドル建てですから、円からドルに交換する際に為替手数料が発生します。
手続きとしては取りあえず米ドルのMMFを購入し、そのMMFから海外ETFを購入することになります。
MMFを購入するときの手数料は無料ですが、為替手数料(スプレッド)が1ドル当たり25銭程度かかります。
1万ドルを購入する場合では、為替手数料が2500円になります。
(MMFから同一通貨の海外ETFを購入しても為替手数料は発生しません。)
VTIをあなたのポートフォリオのコアとして私はお勧めします。
儲けたい人のためのETF講座(その1)
儲けたい人のためのETF講座(その2)
儲けたい人のためのETF講座(その3)
儲けたい人のためのETF講座(その4)
儲けたい人のためのETF講座(その5)
儲けたい人のためのETF講座(その6)
儲けたい人のためのETF講座(その7)
儲けたい人のためのETF講座(その8)
儲けたい人のためのETF講座(その9)
儲けたい人のためのETF講座(その10補足)