2014年7月5日土曜日

正しい株式投資の方法

「株」ってなに?

正しく応えられる人は50%以下かも知れませんね。

株式投資をされている方は多いと思いますが、「株式」の本質を理解している方はあまり多くありません。

一般に株式投資をしている人、しようとしている人は企業業績や経済指標に興味があるのではないでしょうか。

また自分が応援したい会社があり、巨人や阪神を応援するようにその会社の株を購入している人もいるのではないでしょうか。

でも正しい株式投資(確実に儲けるための方法)とは、企業業績や日日の経済指標などは一切気にせず、市場全体に投資しているインデックスファンドを持ち続けることなのです。


なぜなのかを以下で説明します。

利益を生み続ける株式会社

世界最初の株式会社は「オランダ東インド会社」です。(1602年3月20日にオランダで設立)

東インド会社は、船を作るため、交易する物資を買うため、そして船乗りを雇うため投資家(大商人)からお金を集め、長い航海の後に貴重な胡椒(香料)を持ち帰り、それを金と同じ価格で売ることで莫大な利益を上げ、出資者には多額の配当を行いました。

しかしヨーロッパと東南アジアを船で往復することはとても危険であり、多くの船はお宝を積んだまま海の藻屑となってしまったのです。

したがって投資家は無一文になるか、莫大な利益を得るのかの賭けをしていたことになります。

一方東インド会社は国家の許可を得た独占企業ですが、イギリス、オランダ、フランスなどそれぞれの国ごとに東インド会社があり、競争原理が働いていたため、力の強いオランダが香料を独占し、負けたイギリスはお茶や綿布の貿易で利益を得ていました。

この株式会社の原理、つまり投資家はリスクを取ることで配当を得、株式会社は儲かるチャンスを掴むことで競争に勝ち抜き生き残ることができると言うことであり、それは現在も変わっていないのです。

株式会社とは、厳しい生存競争の結果として常に利益を生み出し続けることを運命づけられた利益製造マシンと言えます。

市場はジャングルのように弱肉強食(市場メカニズム)がルールであり、性能の良いマシン(会社)だけが社会的に存在が認められます。

でも多くのサラリーマンは「生き甲斐」とか「充実感」とか会社に対する「思い」はいろいろあるのかも知れませんが、株式会社の社会的な意義は利益製造マシン以外のなにものでもないのです。

利益を生み出し続ける会社だけが社会に富をもたらします。

そして利益を生まない(赤字の)会社は退場させられてしまいます。


ジェレミー・シーゲルの分析によると、1802年に1ドルを米国の株式市場全体に投資した場合、2001年には880万ドルになったと言っています。(グラフ参照、出典 ジェレミー・シーゲル著「株式投資」)


この200年の間には、イギリスの産業革命や南北戦争、世界恐慌、第二次世界大戦、ベトナム戦争など多くの混乱と不況がありましたが、どんな時にも株式会社は利益を上げ続けてきました。

1~5年の短期で見た場合は当然不況期があり、大半の会社が赤字に転落した場合もありました。(例:南北戦争、世界恐慌)


この200年間を複利計算すると、平均の利回り(名目リターン)は8.3%にもなります。

さらに驚くことに、200年前も今もこのマシンの性能に変わりがないのです。

200年前には自動車も電話もテレビも、そして電気もなかった(米国はクジラからランプのための油を取っていた。)のです。

現在Yahoo、Amazon、Facebookなど新興企業の急成長ぶりは驚くばかりなのですが、産業全体そして時代全体で平均化すると株式としての利益製造能力は200年前とさほどの差はありません。

200年前は綿花や生糸の生産加工が花形ですし、1900年代は石油・石炭・鉄鋼が花形産業でしたし、バブル期は商社、現在はITと産業形態はどんどん変化するものの、産業全体の利益製造能力は一貫して年率8.3%なのです。

注意
物・サービスに注目した場合、1の投資に対して100倍のリターンが得られる企業はあり得ますが、株式に注目した場合PERも100倍近くになるため、キャピタルゲイン(利回り)としてはそこそこ低くなってしまいます。


したがって生糸だ、石油石炭産業が買いだ、いや商社だITだと騒いでいても長期で見れば、株式市場全体のリターンは同じなので、どれでもいいんじゃないのという結論となります。

個々の企業は浮き沈みがあり、プロであろうと素人であろうと来年に株価が上がる会社を的中させることはできません。

そこで、将来生き残れるのかどうか分からない会社を予測し投資するよりも、市場メカニズムにより利益を生み出し続けている会社だけが集まっている集合体(市場全体)に投資する方が確実に儲かるのです。

注意
短期的にはリーマンショックのようなこともありますから、確実ではありませんが、5年超の期間で見ればほぼ「確実」です。


以上より結論として手数料が安く、できるだけ広い市場に分散投資しているインデックスファンドを購入し、後は何もしないことが正しい株式投資の方法なのです。