2018年11月5日月曜日

ロングドリームGOLD、GOLD2と「市場価格調整率」の怖い関係


ロングドリームGOLD及びGOLD2には市場金利調整率(MVA:市場価格調整率)が適用されます。

パンフレットの最後の方に書いてありますが、これをしっかりと読み、理解している人は、多分ほとんど居られないようです。

だいたい売る側も適当にごまかしているのが大半かも知れません。

そこでしっかりとその意味をご理解頂くため、インパクトのある試算をしてみました。

パンフレットに書いてある計算式は、次のとおりです。

○市場金利調整率=1-{(1+積立利率*)/(1+積立利率**+0.5%)}^残存年数
*契約時の積立利率
**解約時の積立利率

○解約払戻金額=積立金額***×(1-市場金利調整率)
***解約時点までに増えた元利合計額

まず最初に、この10月1日に米ドル建てのロングドリームGOLDまたはGOLD2を契約し、1,000万円を支払ったとします。

そして3年後にこの契約を解約する場合、解約払戻金がいくらになるのか試算してみます。

市場金利調整率を計算するときの「きも」は、「契約時の積立利率」と「解約時の積立利率」です。

参考
解約時の積立利率が契約時の積立利率を上回ると、それまでに増えた元本が目減りします。金利と債券価格の関係が分からない方は、こちらをご覧ください。

そこで以下を前提として計算します。

契約時の積立利率を、
GOLD  3.46%
GOLD2    2.74% (2018/11/6利率修正)


3年後(解約時)の積立利率は分かりませんが、次の米国長期金利の推移状況から大胆に(悪意を持って)利回りを推定すると、たぶん5%ぐらいになっていると考えられます。


80%ぐらいの人たちが「そんなわけない!」と言いそうですが、米国景気は絶好調ですし、FRBはバンバン利上げして、3年もすればリーマンショック前(2007年)と同じになっている・・・かも知れません。

そしてニッセイの運用担当者も腕がよい?ので、3年後の適用利率は6%ぐらいを稼いでいるはずです。

この前提により、為替レートは一定(米ドル113.43円)として、市場金利調整率をGOLD及びGOLD2について計算すると、

GOLD
一時払金額    1,000万円
3年後の積立元本 $90,797
3年後の適用利率を6%として、
市場金利調整率=1-{(1+0.0346)/(1+0.06+0.005)}^7
                     =0.183
解約払戻金額=$90,797×113.43円×(1-0.183)
                  =8,409,293円
為替手数料  45,400円
解約控除    420,000円
契約者が受け取れる金額=8,409,293円-45,400円-420,000円
           =7,943,893円

GOLD2
一時払金額    1,000万円
3年後の積立元本 $95,186
3年後の適用利率を5.3%として、
市場金利調整率=1-{(1+0.0274)/(1+0.053+0.005)}^7
                    =0.186
解約払戻金額=$95,186×113.43円×(1-0.186)
                  =8,791,809円
為替手数料  47,600円
解約控除    420,000円
契約者が受け取れる金額=8,791,809円-47,600円-420,000円
           =8,324,209円

この試算から、3年後に積立利率が上がっていた場合、中途解約すると、なんと約170万円から200万円も損をします。

参考
もし中国崩壊、ユーロ崩壊、中東紛争などが勃発し、ドル円が100円(超円高)になっていたとすると、契約者が受け取れる金額は、
GOLD  6,952,700円
GOLD2 7,283,268円
となり、3年間で約270万円から約300万円も損することになります。

現在、米国経済は好景気ですし、FRBは計画どおり利上げしていますから、どう考えても米国の長期金利は上がるはずです。

この金利上昇は、既契約者にとって不利に作用します。(中途解約する場合)

したがって、不幸にしてロングドリームGOLD、GOLD2を契約してしまった賢くない投資家の皆様は、何があっても10年間はじっと我慢するしかありません。

10年たてば、たぶん元本を超える金額が戻ってくるでしょう。

と言う理由は、金利高騰があっても最低利率0.01%が保障されていますから、満期まで待てば外貨ベースでは、積立元本を下回ることはありません。

そうすると10年後に儲かるのかどうかは為替レートしだいとなります。

契約時の為替レートよりも円安になっているとかなり儲かります。

当然円高になっていると、元本割れの危険性があります。


最後に、ロングドリームGOLD、GOLD2の本質は、米国債券に投資する投資信託なので、これを契約した人がなぜ賢くないのかの証拠を示したいと思います。

米国債券に投資する投資信託の代表格としてiシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)があります。

このETFに1,000万円を投資した場合の手数料などを以下に記しますので、ロングドリームGOLD、GOLD2がどれほど酷いぼったくりをしているのか、じっくりとお考えください。

参考
iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF(AGG)の諸経費等の状況
買付手数料    21.6ドル(約2,500円、NISA口座なら0円)
為替手数料    約22,124円($1当たり25銭)
経費率(信託報酬) 0.06%(毎年約6,000円が天引きされる)
注意:2020年末までは0.05%
つまり一千万円を投資した場合の初年度経費は、わずか約30,624円
トータル・リターン  3.7%(設定来)
純資産総額      約6兆円
そして何時でも時価で売ることができますから、中途解約するときのペナルティーは一切ありません。


ニッセイ「ロングドリームGOLD3」の分析と評価

ニッセイの外貨建て終身保険(ロングドリームGOLD)の評価

ニッセイ「ロングドリームGOLD2」の分析と評価

「一時払い外貨建て保険」を買ってはいけない明確な理由