2018年10月15日月曜日

ニッセイ「ロングドリームGOLD2」の分析と評価


ニッセイは、2018年10月より「ロングドリームGOLD2」を全国の銀行等の窓口で発売しました。

「ロングドリームGOLD2」は、現在の「ロングドリームGOLD」を進化させた後継商品とアナウンスされています。

そしてその進化とは、投資資金を「ふやす」場合はどうのこうの、「のこす」ばあいはなんのかんの、「うけとる」場合はあ-だこ-だとか説明していますが、投資家(お客様)が知りたいことは「この商品がお得なのかどうか(選んでよいのかどうか)」だけです。

したがって私は「この商品がお得なの?」と言う本質的な疑問に真っ正面から答えるのがFPの責務と考えていますから、「ロングドリームGOLD2」について徹底的に分析をしてみました。

私の結論は、「ロングドリームGOLD2」は、「ロングドリームGOLD」の手数料をステルス化した商品と考えています。

ステルス戦闘機はご存じでしょうか?
いわゆるレーダーでは見えない(見えにくい)戦闘機のことです。

ステルス化した商品とは、「ロングドリームGOLD2」はその手数料がどうなっているのか、お客様にはまったく分からないようにしてしまいました。(商品パンフレットのどこにも記載がありません。)

商品パンフレットの「のこす」とか「うけとる」とかはまったくの隠れ蓑で、この新商品の本質は手数料隠しなのです。

金融庁が一生懸命に手数料を開示しなさいと指導をしているにもかかわらずこのステルス化は、本気で金融庁に逆らうつもりなのかな?


それでは、以下にその詳細を述べます。

最初に「ロングドリームGOLD」と「ロングドリームGOLD2」の主な違いは次のとおりです。

「ロングドリームGOLD」では、一時払保険料からの控除率が7%もあります。

例えば、一時払1,000万円とすると、契約時点で70万円がぼったくられます。この理由は、とにかく銀行に売って貰うためには手数料をはずまなくてはなりませんから、70万円のかなりの部分は銀行の取り分となります。

一方「ロングドリームGOLD2」では、「初期費用の負担なし、告知なし」と小さな字で明記しています。

たぶん銀行の窓口では、店中に響き渡るような大きな声で、そのことをお客様にお伝えしていることでしょう。

「ロングドリームGOLD」では初期費用として7%をいただいておりましたが、この商品では、そのご負担はありません・・・とか

カモネギさんはその一言でコロッと騙されてしまいそうです。

でも大阪のおばちゃんなら「そうは言うても、あんたら裏ではがっちり儲けてはんのやろ」とつっこむところです。

まさにそのとおり。

窓口のお姉様は、つづけて「積立利率は、豪ドルの場合は2.36%、米ドルの場合は2.74%になっていて、国内では考えられないような「高金利」です・・・」

この積立利率こそ、大阪のおばちゃんが言っているところの「裏」の部分なのです。

積立利率は、同じ時期の「ロングドリームGOLD」では、豪ドル3.06%、米ドル3.46%となっています。

参考
10月初めの米国の長期金利は3.08%ですから、米ドル3.46%の運用利回りは多少褒めてよいかも知れません。

つまりロングドリームGOLD2の積立利率は、それぞれロングドリームGOLDよりも0.7%程度低く設定されています。

この積立利率の差について銀行側から一切説明されることはありません。

一般に銀行は、預金金利を設定しますが、なぜその利率なのかの説明はしませんし、お客様の立場は、その金利に納得して預金をするのかどうかだけです。

ですから「ロングドリームGOLD2」では提示した積立利率に対して、銀行側には説明責任はないのです。(それに積立利率はニッセイが設定しているのですから。)

そこで積立利率0.7%の差の理由を考えるてみると、一時払い1,000万円の0.7%は7万円、毎年この7万円を諸費用として天引きできますから、10年間で合計70万円をサヤ抜きできることになります。

つまり「ロングドリームGOLD」では初期費用として70万円をぼったくりますが、「ロングドリームGOLD2」では利回りを0.7%下げることで、こっそりとちびちびと10年かけてこの70万円をくすねる方式に変更したのです。

正直に70万円をいただきますと説明するのと、陰でこっそりと70万円を天引きするのと、「商い」としてあなたはどちらが正しい道と思いますか?

なぜこのような姑息な方法に変更したのでしょう?

それは、金融庁が「手数料が高すぎる」とうるさいからです。

参考
金融庁は、銀行などにシンプルな商品を組み合わせることで、同じ機能かつ格安の手数料となるので、そうした選択肢も提案しなさいと指導していますが、いまのところ「無視」されているようです。

と言うことで、儲かるのかどうか「ロングドリームGOLD」と「ロングドリームGOLD2」を比較すると、見かけ上は「初期費用の負担なし」としていますが、結局裏では同じ金額をかすめ取っていますから、お金の運用サイド(お金を増やす担当者)からすると「ふやす」ことについてはまったく同じ商品なのです。(見かけ上のカタチを変装しただけ)

したがって、素人FPは変装したお化粧部分、つまり「ふやす」「のこす」「うけとる」などの使い勝手に注目し「これは良い商品です。」とか言いそうですが、化けの皮をはぎ、すっぴんのより本質的な部分が、な~んにも変わっていない点は知る必要があると思います。

もしニッセイの運用担当者が腕をあげて、ガッポリ儲けられるようになったので「ロングドリームGOLD2」を発売しました、ということなら目出度いのですが、そんなことあるわけないでしょ。

以上について、次の表にデータの比較をしています。

注意
以下で使用している数値は2018/10/1時点のものです。

この表より、実質利回り及び戻し率はほぼ同じ値となっています。
(数値はニッセイのデータを元に独自に推定)


このデータをもとにグラフ化したのが次です。


グラフの読み方
縦軸は、100%のところが投資元本となります。例えば100万円投資すると、100%のところが100万円となり、10年後、米ドルに投資した場合は130万円、豪ドルに投資した場合は125万円に増えていることになります。(為替レートは一定として)

ロングドリームGOLDは、最初に7%が控除されるため、1年目は100%(投資元本)よりも下側となっています。

ロングドリームGOLD2は、最初に為替手数料として1ドル当たり50銭が引かれますが、1年後に利子が付くと100%を超えます。

1年目は、初期費用の有無によりスタート地点に差がありますが、その後は利回りの違いにより、この差も無くなり、結局米ドルは投資元本の約130%(戻し率)へ、豪ドルは約125%へ「ロングドリームGOLD」も「GOLD2」もそれぞれ収束して行きます。(つまり儲かるのかどうかは、どちらも同じです。)

注意
米ドルは約130%へ、豪ドルは125%へ増えますが、これを円に戻すときには為替レートが影響しますから、預入の時点よりも円高になっていると、この割合よりもリターンは低くなります。(円安となっていればもっと儲かります。)


最後に「ロングドリームGOLD2」はおすすめかと言えば、「ロングドリームGOLD」と比較し、「ふやす」機能は同じなので、私の結論は次の投稿のとおりです。