いよいよ真打ち、今回はiSharesをとりあげます。
iSharesはBLACKROCKグループが設定・運用している世界最大のETFブランドです。
iシェアーズのETF運用残高は約7,118億ドル(約68兆円)、全世界のETF残高の約4割を占めています。
したがって、iシェアーズETFの商品数及び運用残高はステートストリートやバンガードなどの他社を圧倒しており、ETFではトップブランドとなっています。
ブラックロックは設立が1988年と新しい会社ですが、世界最大級の資産運用会社であり、運用資産残高が3.67兆ドル(約350兆円)にもなります。
日本の一般会計が約90兆円ですから、ブラックロックの資産運用額はその約4年分に相当します。
ちなみに米国の2013年度の歳出額は3.8兆ドルであり、ブラックロックの資産運用額はほぼこれに匹敵しています。
ETF選びの基本は「寄らば大樹」ですから、この資産規模はとても頼もしい限りです。
資産残高が多いことで市場での流動性も高く、乖離率も極限まで低下するので、個人投資家にはとても大きな「安心」が提供されていると考えられます。
さてiシェアーズETFの中で私のお勧めはiシェアーズ®・コア 米国総合債券市場 ETF (AGG)です。
参考
2012年10月17日付で「iシェアーズ・バークレイズ米国総合ファンド」は「iシェアーズ®・コア 米国総合債券市場 ETF 」にファンド名称が変更されています。
このETFは、バークレイズ米国総合インデックスを指標としており、米国の投資適格債券市場全体の価格及び利回り実績と同等水準の投資成果を目指しています。
年次リターン
2012 4.04%
2011 7.58%
2010 6.28%
2009 5.13%
2008 5.9%
インデックス特性
構成銘柄数 8,109
実効デュレーション 4.97年
加重平均クーポン 3.57%
iシェアーズ®・コア 米国総合債券市場 ETFの現状(2015/6/4)
純資産総額 約250億ドル(約3兆円)
経費率 0.08%
加重平均クーポン 3.29%(保有する債券の表面利率の平均)
トータル・リターン 4.57%(債券運用により稼いだ実質利回り)
標準偏差 2.92%
参考
AGGのリスク(1年間の最大損失見積額)は、2.92%×2-4.57%=1.27%、100万円を投資した場合、1年間の最大損失見積額が約1万3千円程度ですから、リスクの割にはとてもよいリターンと言えます。(為替のリスクは除外しています。)
管理報酬が2012年10月17日に0.2%から0.08%引き下げられています。
バンガードの米国トータル債券市場ETF(BND)の経費率が0.1%ですから、iシェアーズは2割引きになっています。
ポートフォリオにおける債券は株式に対するカウンターバランスとしての効果が期待できます。
iシェアーズのコア S&P 500 ETF(IVV) 及びS&P ヨーロッパ 350(IEV) との相関は次のとおりです。
AGG-IVV相関 0.132
AGG-IEV相関 -0.477
S&P 500とはほぼ無相関、S&P ヨーロッパ 350とは逆相関となっていますから、AGG-IEVの組み合わせは理想的です。
このような相関となった原因は、ユーロ危機において投資マネーはリスクオフのポジションとしてユーロから米国債へ流れたものと考えられます。
ユーロ危機についてはキプロス問題など依然としてモグラたたきが続いており、着地点が全く見えない状況です。
したがって外貨投資をお考えなら、その一部はユーロ危機への備えとして私はiシェアーズ®・コア 米国総合債券市場 ETFをお勧めします。
為替リスクについてはこちらの投稿をご覧ください。
「超簡単・・・お金の運用法(その4)」
注意
今後の債券投資については次のリスクが懸念されています。(2015/9/3)
「債券の「スーパーサイクル」、新興国の外貨準備売却で終焉か」
参考
2013/07
次の3銘柄が東証に上場されました。
iシェアーズ 先進国株ETF
iシェアーズ エマージング株ETF
iシェアーズ フロンティア株ETF
この銘柄については国内株と同様にどの証券会社からでも円で購入できるようになりました。
参考
激安信託報酬のETFです。
iシェアーズ TOPIX ETF(1475)
儲けたい人のためのETF講座(その1)
儲けたい人のためのETF講座(その2)
儲けたい人のためのETF講座(その3)
儲けたい人のためのETF講座(その4)
儲けたい人のためのETF講座(その5)
儲けたい人のためのETF講座(その6)
儲けたい人のためのETF講座(その7)
儲けたい人のためのETF講座(その8)
儲けたい人のためのETF講座(その10)
儲けたい人のためのETF講座(その10補足)