2016年11月3日木曜日

超低金利、もう投資は避けて通れない!



日経記事「2017年、投信の夜明けがやってくる」では次のように書いています。(要旨)

1 2017年から確定拠出年金(DC、個人型は通称iDeCo:イデコ)の対象者が拡大され、新に公務員、専業主婦など約2600万人がこのお得な制度を使えるようになる。

2 確定拠出年金は60歳まで引き出せないため、いやでも長期投資となり、この受け皿として投資信託が期待されている。

3 金融庁は、投資信託の長期保有を勧める観点から、金融機関による無理な投信販売(いわゆる回転売買)に監視の目を強めている。(法外な手数料を取っている銀行窓販商品についても手数料を開示するよう指導を強めています。)

4 超低金利に苦しんでいる地方銀行などが投資信託の販売手数料に活路を見いだしている。

5 米国の例から、家計の43%は401k(確定拠出年金)を通じて投資信託を保有しており、この制度により投資信託の保有者が急増した。(米国の投資信託の残高は2000兆円で日本の約23倍)


FPとしては何を今更・・・の話なのですが。

確定利回り43%・・・なぜ使わない!」にも書いていますが、確定拠出年金は本当に使わなきゃ絶対損なのです。

でも・・・金融リテラシー(お金の知識・判断力)が高いアメリカ人は老後資金の準備としてすんなりと投資信託を買っていますが、貯蓄好きの日本人にすんなりと「投信の夜明け」がやってくるのか、私は多いに疑問に思っています。

私の見るところ投資を避ける意識が強すぎるためか保険屋さんのすすめるままに、全くおすすめできない「個人年金保険」や「介護保険」を買ってしまっている方が多く、なんと損でバカな選択をしていることか・・・とため息をついています。

それもこれも結局の所、金融商品を選べる知識も判断力もないところを突かれ、金融機関(&保険会社)の口車に乗せられて(騙されて)いることが原因のようです。

ですから金融庁は金融業界に対して「顧客本位の業務運営(fiduciary duty:受託者責任)」を強力に指導し始めているのです。

参考
顧客本位の業務運営とは、笑顔で接客ということではなく、金融機関が儲かる商品ばかり売るのではなく、顧客の利益を最優先にした商品の提案をしなさいということです。(あたりまえのようですが金融商品はどれがお得なのか分かりにくく、金融リテラシーの低い顧客は金融機関にとってはカモネギさんなのです。)


投資信託や保険の販売実態がこのような状況ですから、金融業界(保険や投資信託を販売している者)が手数料稼ぎをしている限り日本国内で「投資」が広く普及するには壁が高そうです。

投稿「株式投資を信頼する国、しない国」で書きましたが、日本の投資家は株価の下落に対してとてもナイーブ(うぶ、敏感)であり、逃げ足が速く、相場が上がり始めるまではなかなか市場に戻って来ません。(つまり投資とは得体の知れないお化けのようなものと思われているようです。)

一方米国の投資家は、どっしり構え、株式の長期的な成長を信頼しているためか、相場が下落してもすぐに市場に戻って来ます。

その違いがどこにあるのか?

極端な比喩でいうと、「日本の株式投資」≒「馬券を買うこと(博打)」であり、「米国の株式投資」≒「子供の教育投資」・・・のような違いがありそうです。

馬券を買う人は10年先にその馬が勝つことを期待して買う人はいません。次のレースで勝つことだけを期待しているのであり、基本的な考え方は「勝ち馬に乗りたい」と思っているのです。

ですから予想屋さん(≒株屋さん)は「次はこの馬(株)が来そうです!」とささやくのです。

でもたいがいその予想は外れ、すってんてんになってしまう・・・かも知れません。

したがって「投資」で失敗した人やその話を聞いた人たちは、「投資」とは一攫千金を狙うものであり、真面目(堅実)な人が手を出すべきものではないという考えになりがちなのです。

一方子供への教育投資だとすると、テストで0点を取ってきたのび太くんに対して、もう将来は期待できないので教育投資はしないと考える親はいるでしょうか。

算数は苦手でもスポーツができるかも知れませんし、音楽の才能があるかも知れません。

いざとなればドラえもんが道具を貸してくれる(新たなイノベーションが生まれる)期待もあります。

ともかく今はできが悪くても将来の成長を期待して教育投資は続けて行くことでしょう。逃げるわけにはいかないのです。

このように米国では「投資」に対するリテラシーが高く、日本のように「怖い」とか「怪しい」とかのエモーショナルな反応はありません。

その背景として、金融広報中央委員会の報告より、

>>米国では、金融に関する教育は、1960年代以来の学校における消費者教育の経験や、1970年代からの全国規模での経済教育の展開に見られるように、早くから自立を促す実践的な教育としてカリキュラムに組み込まれ、今日まで行われてきました。しかし、日本とは異なって、学習内容は地域や学校の裁量に任され、統一的なカリキュラムとして実行されることはありませんでしたが、一方で、学校での経済教育や金融教育を地域の企業が支援するシステムも以前から存在していました。
クレジットシステムの先進国としての金銭管理教育は、小学校においての小切手についての学習や、高校でのクレジット教育、投資教育など、現在でもいっそう盛んに行われています。近年では、退職企業年金制度である401(k)の施行に伴って、一般従業員に対する投資に関する教育も一般的になってきました。
市場経済の一方の担い手としての消費者を育てることが、健全な市場を生み出し、その結果として自社の利益を含めて、経済全体を豊かにするという認識がありますので、金融教育への企業の支援もまた活発に行われています。 ジャンプスタートのほかにも、金融教育全国基金(National Endowment for Financial Education、 略称NEFE)などはこの分野の代表的な機関であり、その他多くの非営利組織が米国の金融教育を支えています。


日本の学校教育は、英語をはじめとして「入試のための教育」に偏重し過ぎており、日々の生活に必要な実学がまったく欠如しています。

私の意見
高校の数Ⅱで微積分を教えるよりも、所得税の計算要領やクレジット教育、投資教育、社会保険制度などを教えた方がどれほど国民の日常生活に役に立つことか、文科省は真剣に考えてもらいたいと思います。(実は・・・私は高校生に微積分を教えています。)

したがって全般的に日本国民の金融リテラシーは極めて低く、短期的な利益をそそのかす(回転売買を勧める)金融機関の影響もあり「投資」≒「博打」の意識が根深くあるのではないでしょうか。

しかし現下の状況から、投資は怖いからと言って貯蓄だけにたよる訳にはいかないのです。

毎月1万円をこつこつと40年間貯蓄しても利回り0.1%ではリターンは9万5千円にしかならないのです。

これでは老後生活資金の準備としてまったく使えない金融商品なのです。

個人年金保険や介護保険も似たようなもので、予定利率を0.5%とするとリターンは約50万円になりますが、その内20万円は保険会社の取り分なので、結局返戻率は106%程度になってしまうのです。

ましてその間にインフレとなった場合、このような超低金利、固定の金融商品は確実に元本割れとなります。

貯蓄は安全と思っている方に是非知っていただきたいことは、今の状況では超低金利、固定の金融商品は「危険」だということです。

この考え方から年金保険や介護保険は、インフレにより10年後、20年後ほぼ確実に解約せざるを得なくなると私は考えています。

注意
逆に、住宅ローンなどの「借り入れ」は長期固定金利が最もお得になります。インフレになると残額がどんどん目減りし、もしかしたらチャラになってしまうかも知れません。

FPの教科書にあるとおり、超低金利の状況ではお金の運用は「短期」が原則なのです。
嘆かわしいことにこれを忘れたふりをするFPがいるのです。

ではどうしたらいいの? という疑問に対する私の回答は、

1 今の状況では安心安全な金融商品は「個人向け国債(変動10)」以外ありません。

2 当面は節税が期待できる確定拠出年金(iDeCo:イデコ)とNISAを最大限活用しましょう。

ということになります。

政府の旗振りに乗ることでお得な資産運用ができるのです。流れに逆らってもお得なことはなにもありません。(税制の後押しが得られない。)

さてそこで問題なのは投資信託を買うべきか? なのですが、買うべきなのです。

利回りを得るためにはリスクは取らざるを得ないというのが世界不変の真理なのです。

ではどんな投資信託を買ったら良いのか? 

それはS&P500、TOPIX、日経225、JPX400などのインデックスファンドです。
(個別業種やスマートベータ、ライフサイクルなどの訳の分からない投資信託は避けるべきです。)

NISA口座ならこれらインデックスのETFをぜひおすすめします。

ETF(上場投資信託)の選び方はこちらです。

そしてくれぐれも注意しなければならないことは、専門家や自称専門家や、お友達の儲かり情報に惑わされないことです。

市場は常に変動しています。その時々の情報に一喜一憂していたら夜も眠れなくなりますし、そして頻繁に売買を繰り返していると、確実にあなたの資産は減って行きます。(投資オタクは有り余る知識によってその多くが自滅の道を歩んでいます。)

この100年間に得られた投資の英知が教える唯一の教訓は「インデックスを持ち続けなさい・・・何があっても」ということです。

投資に関する知識は一般常識があればそれで十分なのです。
むしろ重要な点は、どんな悪い市況になっても耐える「我慢強さ(鈍感さ)」なのです。

投資の王道はとてもシンプルであり、長期の投資はあなたの期待に十分答えてくれるはずです。


あなたが途中で迷ってしまわない限り・・・