MORNINGSTAR主催のETFカンファレンス2012を聴講してきました。
ETF界の黒船が3隻、Vanguard、BlackRock(iShares)、SSgA(SPDR)がそろい踏みしており充実した内容でした。
日本の投資信託の市場規模は約60兆円、その内のETFの市場規模は3.5兆円しかありません。しかもETF約3.5兆円の内40%は日銀が買っているのですから個人投資家への普及はまだまだと言えます。
これに対しVanguardは運用総資産158兆円(ETFが16兆円)、BlackRock運用総資産286兆円(iSharesETFが55兆円)、SSgA(SPDR ETFが27兆円) という規模ですから日本の投信業界からすると超巨人と言ってもよいでしょう。
この超巨人たちがネット証券を窓口に個人投資家にアプローチし始めています。
日本の投信業界はこれまで、いわゆる「株屋さん」と顧客との対面で販売されてきました。
株式の売買手数料はネット証券では500円前後まで下がっていますが、対面ではいまもって1万円以上も取られ、ネット証券の20倍にもなっています。
しかし株式売買の70%はネット証券となりましたから手数料を1万円払えるお金持ちが30%ぐらいいると考えれば特に問題とは言えません。
問題なのは銀行や郵貯が強力に販売している投資信託です。
投資信託の販売手数料は平均で100万円当たり2.7万円も取られているのです。
銀行は1000万円を預金してもらっても利幅はたいしてありませんが、同じ1000万円で投資信託が売れればその瞬間に約30万円も儲かるのですから顧客に勧めない手はないのです。
ですから、顧客の預金残高や給与振込額などを知り尽くしている銀行は盛んに投資信託をお勧めしているのです。
昔は「株屋さん」と「銀行員」では世間体がだいぶ違ったのですが、いまでは「銀行員」も「株屋さん」になってしまったようです。
投資信託の販売は「対面」が98%となっておりネット証券では1.6%ぐらいしか販売できていません。
これが日本の投信販売の大きな問題となっています。
販売者側では何の問題も無いと考えているようですが、個人投資家にとっては銀行などに「カモネギ」として扱われていますから、このような現状のままでは日本の投信に未来はないと私は考えます。
したがって私は黒船3隻が日本に乗り込んできたことを諸手を挙げて歓迎します。
日本にETFが普及することで個人投資家もやっと儲けることができるようになるからです。
次回は黒船3社のETFからお勧めの商品をご紹介したいと思います。
儲けたい人のためのETF講座(その1)
儲けたい人のためのETF講座(その2)
儲けたい人のためのETF講座(その3)
儲けたい人のためのETF講座(その4)
儲けたい人のためのETF講座(その5)
儲けたい人のためのETF講座(その6)
儲けたい人のためのETF講座(その8)
儲けたい人のためのETF講座(その9)
儲けたい人のためのETF講座(その10)
儲けたい人のためのETF講座(その10補足)