2011年9月11日日曜日

人気の外貨建て保険を利回りで比較してみました(その1)


(表はクリックすると拡大します。)

2015/7/16
ニッセイの外貨建て終身保険(ロングドリームGOLD)の評価



最初に山崎 元氏(マイベンチマーク代表取締役)の「資産運用実践講座Ⅱあとがき」より引用させていただきます。

『結論に自信が持てないことについて、「意見は人それぞれだ」というような形でごまかすのは、あるいは、自分や顧客の「気が済む」からということを理由にして結論を求めるのは、お金の世界では賢くない。それは、「それぞれの意見」や「気が済むこと」と正解との距離が、お金の取引の世界では、あなたの「損」を意味するからだ。』

『直感的に受け入れやすい「気が済む」ような意思決定はしばしば、厳密な損得の計算結果と乖離しており、ビジネスとしての金融業は、この乖離を利益の源泉としてシステマチックに利用している。彼らは、顧客の注意を「気が済む」けれども厳密には得ではない方向に誘導すべく、新商品を開発し、セールス活動に注力する。』


そのとおりだと思います。

お金の世界は「損」か「得」かをはっきりさせなければなりません。

「手厚い保障」のイメージだけで顧客側が「安心」しても、「損」な商品を買わされた事実は覆い隠されています。


上の表にあげた終身保険及び年金保険の契約者の目的は多くは「貯蓄」ではないかと思います。
若い人たちは自分年金づくりとしてお考えになっているのかもしれませんね。

したがって「利回り」が商品選択の重要指標となります。

利回りは公表していないか、予定利率は公表しても「実質利回り」は分かりません。

保険料はその全額が運用されているわけではなく、保険契約の締結・維持、死亡保障などに係る費用等が控除され、残った保険料(原価または原資)が予定利率で運用されているのです。

ですから予定利率3.5%でも控除額が20%なのか50%なのかで積立額に大きな差が生まれます。

そのため支払われた保険料を原資と考えた「実質利回り」で比較しなければなりません。

また実質利回りと同様、保険料の何パーセントが積み立てられているのかも原価率(=積立額÷保険料)で比較しないと、ほんとうに「お得な商品」なのかどうかわからないことになります。

「実質利回り」も「原価率」も公表されていませんから推定値となります。

推定値は、保険料と満期保険金または解約返戻金から計算することができます。

これは、初歩的な利回りの計算問題です。


さて各商品の比較ですが、とりあえず各数値をご覧ください。

私の意見は次回に投稿します。

ここでは、表を見る上での注意点を書き、終わりにします。

・各商品は外貨建ての終身保険(年金の夜明けは個人年金保険)です。
・各商品は30歳(男)支払期間30年、60歳満了として計算された数値です。
・保険料が「$」のところは円で入金する場合、そのときの為替レートにより金額が変わります。(ドル建て保険料は一定)
・文字が大きいところは保険会社の公表値です。
・エジソン生命の「年金の夜明け」は最低利率の2.75%を使用した値です。現在(H23.9)の利率は3.97%です。
・メットライフアリコの「My Future」も最低保障の3.0%のときの値です。また保険料払込期間は25年と他社より短くなっています。そのため解約返戻金も少なくなっています。

AIGスター生命 「ドルサポート終身
AIGエジソン生命 「ドル建とく割終身保険
     〃     「年金の夜明け
ジブラルタ生命 「リタイアメント・インカム
メットライフアリコ 「My Future


2012年1月にスター生命、エジソン生命、ジブラルタ生命は合併しジブラルタ生命となりました。

人気の外貨建て保険を利回りで比較してみました(その2)


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