(表はクリックすると拡大します。)
上に公的年金制度をまとめた表を示しています。
国内に居住している人(外国人を含む)は厚生年金、国民年金、共済年金のいずれかに必ず加入することとされています。
そして資格期間を満たせば、いずれの年金制度でも65歳から老齢基礎年金(満額は79万円)がもらえます。
厚生年金と共済年金は、老齢基礎年金の上乗せとして、報酬に比例した年金がもらえます。
また、厚生年金では会社により更に上乗せの企業年金(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金、私学共済等)があります。
厚生年金と同様に共済年金でも、企業年金に相当する職域加算があります。
そうするとサラリーマンと自営業者とでは不公平となりますから、国民年金では、付加年金や国民年金基金という制度がつくられています。
国民年金基金についてはすでに投稿しましたのでこちらをご覧ください。
さて以上の年金制度は「確定給付型」の年金制度に分類されます。
確定給付型とは、将来もらえる年金額が計算式によりおおよそ見積ることができます。
年金加入記録、年金見込額の試算については日本年金機構のHPをご覧ください。
公的年金制度には「確定給付型」の他に「確定拠出型」の年金制度(DC)があります。
「自分年金」をお考えの方に私が最もお勧めしたいのはこの「確定拠出型」の年金なのです。
では以下にその詳細を説明します。
(3)確定拠出年金制度(DC)
DCは、既存の国民年金、厚生年金そして企業年金などの更に上乗せの制度として2001年に導入されています。
もともとは米国内国歳入法の401条K項の規定(退職金としての積立に対する課税上の優遇)を元に我が国もそれをマネしたのです。
導入の目的は、年金運用のリスクを加入者本人に持たせることにあります。
企業はこれまで「確定給付企業年金」を運用していましたが、異常な低金利や株式市場の低迷など運用環境の悪化により、予定していた利回りを確保する事が困難となり、従業員に約束していた年金給付のための資金に不足が生じ、その穴埋めに巨額な資金の手当てが必要となっていたのです。
長期低迷する日本経済を背景として、確定給付企業年金の制度が持続困難となったため、導入されたのがDCなのです。
DCのメリットとしては
○掛け金は企業が負担 (企業型、会社は損金処理)
○税制の優遇 (掛け金が全額所得控除、運用益は非課税、公的年金控除)
○ポータビリティー (転職しても年金資産を持って行ける)
○会社が倒産しても年金資産は保全される
○60歳から受給できる
DCのデメリットは
○資産運用は自己責任 (利点かも知れません。)
○60歳まで中途引き出しができない
○担保にできない
また、DCには企業型と個人型があり、企業型は掛け金を企業が負担し、個人型は加入者本人が負担します。
企業型、個人型が選択できる人は上の表で区分されたとおりです。
サラリーマンでも会社に企業年金制度がなく、かつDCを取り入れていなければ個人型に加入することができます。
DCの加入者は、平成23年8月末現在で406万人(企業型)であり、全労働人口の6.2%に止まっています。
世界的な経済環境の低迷により、運用利回りがマイナスとなっている加入者が多く、現況としては「安心できる年金」としての位置づけにはいま一歩のようです。
企業年金ではプロが運用して儲けられなかったので、DCに移行することで運用リスクを加入者本人に持たせたのですから、運用のまったくの素人がそもそも儲けられるわけがありません。
DC加入者にとってはつらい日日となっているようです。
それでも私はDCを声を大にして「お勧め」します。
それは素人だからこそ投資のプロに勝てる方法があるからなのです。
細部は次回以降で・・・
投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その1)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その2)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その3)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その4)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その5)
賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その6)
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賢い投資家のお得な自分年金の作り方(その8)