2010年6月14日月曜日

個人向け国債の購入を検討されている方へ

財務省のHPには「笑顔で資産、増やすなら。」と出ています。
この国の財政状況を思うと暗澹たる思いです。

もはや「赤字国債」が大手を振って販売されるのが当たり前となってしまいました。
でもこのような状況は「極めて異常」な状態であることを知っていただきたいと思い、この投稿を書いています。

個人の家庭で考えれば「収入の範囲内で生活する」ことが当たり前だと思います。
しかしこの国は、収入(37兆円)を越える借金(44兆円)を前提として、この1年の支出を計画しています。

財政法では、
『第四条  国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。』
とされています。

国の歳出は借金を充ててはいけないと明記されています。当たり前です。
借金してよいのは、建設工事等の後世に残せる財産価値のあるものか、返済されることが確実な出資金などに限定されています。

子供手当のように、消費を前提にしたものに借金を充てるなどは、借金で生活費を賄っているようなもので、個人でも常識有る人のすることではありませんし、まして国が率先して行うことでは決してありません。

財政法では赤字国債が発行できないため、毎年特例法を作り赤字国債を発行し続けています。
そして赤字国債の消化のため政府と投資先のない民間(郵貯、銀行、生保等)が協力しています。
そのようなモラトリアムができてしまったため、国は低金利で借金ができ、財政規律がまったくなくなってしまいました。

政治家も役人も、そして国民までも借金(赤字国債)が当たり前になってしまっている現在の状況に私は大きな不安を覚えます。

この国の将来はどうなるのでしょうか?
ギリシャの財政赤字が世界中から注目されましたが、GDP比110%でしかありません。日本はもうすぐ200%になります。先進国では飛び抜けてひどい状況です。

ギリシャ国債の金利は、2年物が一時14%に急上昇しています。
日本国債の金利が急上昇しない保障はどこにもありません。
少なくとも、世界中の市場関係者は、日本国債の金利上昇(国債価格の暴落)を予期してオプションを購入しています。

しかし日本国債の金利上昇は、まだよい方かも知れません。
ロシヤやアルゼンチンなどでは国債の「デフォルト」が発生しています。

まさか日本では起こるはずがないと思われている方は、次の財政法の条文をしっかりと読んでください。
『第八条  国の債権の全部若しくは一部を免除し又はその効力を変更するには、法律に基くことを要する。』
徳政令は今も可能なのです。


投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。