2011年1月14日金曜日

損切りの哲学と理論(その4)

バートン・マルキールは「市場に打ち勝つための方程式は優れた透視力ではなく、より大きなリスクを取ることだ。」「リスクこそ、そしてリスクのみが、どの銘柄のリターンがどの程度市場平均を上回るのかを決め、株式の価値を決めるのだ。」と言っています。

「リスクのみがリターンを決めている」のだとすると、投資家はリスクを取りそしてコントロールすることが何よりも重要なことだと言えます。

私を含め多くの投資家は「儲かりそうな話」に耳と目を奪われがちです。
これに投資したらいくら儲かりそうかなどと取らぬ狸の皮算用(リターン)で投資してしまいます。

ですから、想定外の値下がり(リスク)にショックを受けてしまうのです。

賢い投資家ならば、「値下がり」は想定内として耐える覚悟と余裕が必要です。

これは、FXにおいても言えることです。

為替は株式のように成長性が無く、一定範囲を変動しているだけですから、FX投資はゼロサムゲームとなります。

ゼロサムゲームとは、「参加者全員の投資元本についてぶんどり合戦をすること」または、「勝者が敗者から掛金を巻き上げるシステム」であり、プロだろうと素人だろうと勝ち続けることは困難な投資です。

しかし個人投資家でも唯一FXで勝ち続ける方法があります。
それは、「勝つまで耐える」ことです。

リスクを可能な限り低く抑え、耐え続けた者にのみ「勝利」が訪れるのです。

FXはハイレバレッジ、短期売買が主流のようですが、ハイレバレッジでの「損切り」は資産の消耗が激しく、場合によっては再起不能の損失を被ります。

ですからハイレバレッジでは「耐える」ことは困難であり、勝てるかどうかは「運」次第となります。

したがって「勝つまで耐える」には低レバレッジかつ「安く買う」ことです。
(「売り」もできますが、長期になるとスワップポイントによる損失が拡大しますからお勧めではありません。)

「安く買う」方法は、平均価格以下、できれば(平均価格-σ)以下の価格(底値)が望ましいといえます。

参考
日経平均; 平均価格-σ=10,504円-1,830円=8,674円
円ドルレート;平均価格-σ=94.9円-7.8円=87.1円
注 平均価格は過去3年間を取っています。(その3参照)

でも余裕資金(本当は余裕ではないのかも?)があるとすぐ買ってしまうのが素人投資家です。
賢くない投資家にありがちな「高値づかみ」です。

本間宗久翁は「踏みだし大切なり。踏みだし悪しき時は決して手違いになるなり。又商い進み急ぐべからず。急ぐ時は踏みだし悪しき時と同じ。売買共、今日より外商い場なしと進み立ち候時、三日待つべし。天井底の位を考え売買すべし。」
と諭しています。

買うときも、保有しているときも「余裕」が大切なのです。

次回は蛇足になりますが、平均値やσを割り出す際の期間のとり方について「パワースペクトル分析」を書く予定です。

続く

損切りの哲学と理論(その1

損切りの哲学と理論(その2

損切りの哲学と理論(その3

損切りの哲学と理論(その4

損切りの哲学と理論(その5



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