ここ十数年間まったく冴えなかった新興国投資について、ゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカ(BofA)は、もうそろそろ買い時だと言っています。
Bloomberg記事より
「ゴールドマンやBofA、「失われた10年」の新興国株に妙味との見方」
記事要旨
1 2008年のリーマンショック後、MSCI新興市場指数の上昇率は8%、これに対して先進国株の指標(MSCI wold Index)は約2倍のパフォーマンスを示した。
出所:Bloomberg
新興市場の指数を先進国株の指数で割った値(Ratio)。
Ratioが「右上がり」のときは、新興国市場の成長率が先進国の成長率よりも高く、「右下がり」のときには、新興国市場の成長率が相対的に先進国よりも低いことになります。
(このグラフより、過去10年間、平均すると先進国の成長率が新興国の成長率を上回っていることが分かります。)
2 新興市場のパフォーマンスが冴えなかった主な理由は、中国経済の減速にある。(成長率が10%超から6%に減速)
3 現状は、パンデミックへの対応の差により、先進国の成長率は14%、新興国の成長率は-5%と圧倒的な差となっている。
4 しかしBofAによると、東欧や中東、アフリカの新興国株式市場への資本流入が3月以降に加速しており、投資家のバリュー株投資が顕著である。
5 この投資先としてはエネルギーセクターが最も大きく、ロシア株、南アフリカ株への追い風となっている。
6 ゴールドマン・サックスでは、パンデミックから平常への回帰が新興国相場では十分に織り込まれていないと分析している。
7 先進国の経済活動がピークアウトし、商品価格が上昇すれば、いよいよ新興国投資の出番になるかも・・・
とゴールドマンとBofAは皮算用しています。
そう言えばモーニングスターの社長さんも、10年前に、人口ボーナスがどうのこうのと言って、盛んに新興国投資をすすめていましたが、これに騙されて投資してしまった方は残念でした。
参考