2020年4月7日火曜日

武漢肺炎が征圧された後にはインフレがやって来る


「緊急事態」です。

いったい日本はどうなってしまうのでしょう?

しかし中国ウイルス(米国大統領談)なんぞに負けてたまるか!

日本はそんなヤワな国ではありません。日本人一人一人の高い道徳観念と清潔な生活環境、そして高度の医療体制により、必ずこの国難を乗り越えることが出来るでしょう。

当面は「自粛」あるのみです。敢えて危険に身をさらすようなことは避けましょう。

とは言うものの、医療関係者などは命懸けで職務に邁進されておられることと思います。

ただただ頭を垂れるだけです。

さて、この国難もいずれは乗り越えるときが来るはずです。

そのときにどうなるのか?

The Economistが興味深い記事を書いています。

新型コロナ、潜むインフレリスク」2020/2/25

記事の要旨

1 感染拡大による「恐怖」により、投資や消費が避けられた結果、それは経済への最大の脅威となっている。

2 各国中央銀行は、金融緩和に動き、政府は経済への打撃を抑えようと財政支出策を準備しつつある。
 
3 今回の特徴は、「封じ込め策」により工場閉鎖やサプライチェーン(供給網)が寸断された点にある。

4 この「供給ショック」は、1970年代の石油危機や食料危機においても発生し、その後に高インフレとなった。(このときから中央銀行の主要な任務がインフレバスターとなった。)

5 今回もサプライチェーン(供給網)の寸断により長期的な供給不足(供給ショック)が懸念される。

6 とはいえ、失業率の増大による「需要ショック」の可能性もあり、世界のインフレはなお低水準である。(1970年代と状況が異なる。)

7 世界の工場である中国の復活がどうなるのか、一方で中国をサプライチェーンから外す動きが加速するのかどうか、予測は難しい。

8 マクロ経済政策の立案者らは、再び景気低迷下でインフレ上昇と闘うべきか否か苦渋の決断を求められる。

9 結論として「供給が思い通りにできなくなると、経済が動揺しているにもかかわらず、物価上昇のペースが加速することがある。」

この要旨の文責は川島FPにあります。

武漢肺炎が流行るまでは、米国経済は絶好調でした。2020年2月19日「S&P500種株価指数とナスダック総合指数が最高値を更新」しています。(この時点までは、米国にとって武漢肺炎は他人事でした。)

一方日本経済は、年の前半までは失業率も最低で好調だったものが、財務省の陰謀により消費税を10%に上げたため奈落の底へ突き落とされてしまいました。

そこで、経済のファンダメンタルズは健全であるとすると、人々の免疫力が上がり、武漢肺炎もやがては収束し、各国中銀がお札を刷りまくってばらまけば、需要は早晩回復してくるものと思われます。

でもね・・・

経済が回復するまでの数ヶ月間に、馴染みの飲食店や美容室やスナックなどのサービス業や観光業などが潰れてしまっていたら・・・

中国からiPhoneや車の部品などが供給されなかったら・・・

そして穀物などの食料の生産基盤と流通網も破壊されてしまっていたら・・・

世界的規模でサプライチェーンがずたずたにされ、国内の末端のサービス業も廃業が続出していたら・・・

参考
コロナ影響で中小企業45社破綻 25都道府県、宿泊や飲食
東京のタクシー会社、全乗務員600人解雇へ 自粛影響
緊急事態宣言…日産は米で1万人解雇、ホンダ、三菱自も一時帰休

これらの復旧にはお金と時間がかかります。

今回の事象が「供給ショック」となるのか「需要ショック」となるのかは需要曲線と供給曲線を用いた分析で説明されます。

今回の場合、当面は「外出禁止」により需要は激減し(需要曲線が下方向に下がり需要数量は少なくなる)、供給側は当然「安くても売りたい」側(数量は少なくなる)に変化します。

この状況はグラフの「当面はココ」で示しており、「需要ショック」の状態となります。

そして需要が回復したとして、その時に供給能力が回復していなかったら、「高くても買いたい」状態、つまり「供給ショック」となります。

市場価格はそのときどきの需要と供給で決まりますが、武漢肺炎が収束した後の日本や世界経済がどうなるのかはまったく分かりません。

需要の回復と供給能力の回復を比較するとThe Economistは 供給能力の回復の遅れにより「供給ショック」が起こり、インフレになる・・・かも知れないと警告しています。

今現在の「需要ショック」はマスクとトイレットペーパーですが、1年後の日本経済は全世界的なサプライチェーンの寸断により物価が高騰し、インフレ率は2%超になっているかも知れません。

今の人たちはインフレをまったく経験していません。

インフレとは、物価がどんどん値上がりし、今日買えた物が明日は買えなくなることです。

そうなると、銀行預金はまったく利子が付かないので、物価が上昇するたびにその価値を失うことになります。

一方、住宅ローンなどの借金は、インフレにより返済額が目減りしますから、お得になります。

はたして1年後にインフレになっているのか、それともアベノミクス以前の地獄の民主党政権時代に逆戻りしているのか?



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