2015年4月6日月曜日

確定利回り43%・・・なぜ使わない!




「個人型」の確定拠出年金(iDeCo)がまったく普及していません。
現在の加入者はわずか18万人。

日本国民はもしかしてみんな「バカ」なんじゃないの!・・・と不穏当なことも書きたくなります。

なぜなら確定拠出年金に加入すると、安全確実に利回りが43%にもなるからです。
保険会社の個人年金保険などは40年後の払戻率が130%、利回りはわずかに1%程度。

40年後に30%増えるのと、わずか1年で43%増えるのとどちらがよいと思いますか?

確定拠出年金の実質利回りはその人の税率で変わります。
所得税と住民税の合計の税率が15%なら利回りは18%、高額所得者で税率43%なら、なんと実質利回りは75%にもなります。

                課税所得別のお得度(実質利回り)


なぜこのように超高利回りとなるのか?

その仕組みは、確定拠出年金の掛け金は全額が所得控除でき、その分税金が安くなるので、実質掛け金が大幅に減るからです。

例えば、所得税20%、住民税10%の人の場合(課税総所得が330万円~695万円)

その年の掛け金の合計が10万円とすると、所得から10万円を控除できるので、この10万円に掛けられていた税金3万円を払わなくてよいのです。(その分収入が増えたことになります。)

つまりその年の実質掛け金は7万円(=10万円-3万円)となり、一方口座にはがっちり10万円が積み立てされていますから、このときの実質利回りは、

  (3万円÷7万円)×100%=約43%(利回り)

確定申告により税金が3万円安くなった瞬間にこの利回りが確定します。

掛け金の限度額は1年で81.6万円ですから、この場合節税額は約24.5万円にもなります。

実質利回りは掛け金の多い少ないには関係なく、その人の税率で決まってしまいます。

従って掛け金が最低の月額5千円、1年で6万円の積立の場合でも、税率が30%なら利回り43%になります。

注意
課税所得が1年間の掛け金合計額よりも少ないと、掛け金全額を控除することができません。
課税所得が5万円なら、掛け金が6万円であっても控除できるのは5万円までです。
そして当然所得がなければ控除できませんし、節税もできません。


確定利回り43%ですから、いまの世の中にこんなに安全確実で超お得なお金の運用先はありません。

保険屋さんや銀行が売りまくっている「個人年金保険」を買っている人たちはこのお得情報を知らないのでしょうか。(すくなくともFP資格を持っている人は必ず勉強し知っているはずです。でも銀行員や保険屋さんは立場上ヒミツにしているのかも。)

個人年金保険も最高で4万円の所得控除がありますが、その節税効果、利回りは確定拠出年金に比べかなり低いと言えます。(公的な制度には勝てないのです。)

企業に勤めている人たちが加入できる「企業型」はすでに464万人加入しているのですが、フリーランス(自営業)の人たちは、この超お得情報をだれからも教えて貰っていないのかも知れませんね。

さてこの制度を利用できる人はどのような人たちなのでしょう。

○自営業者とその家族、自由業、学生など国民年金の1号被保険者
(農業者年金の被保険者の方、国民年金の保険料を免除されている方を除く)
つまり厚生年金に入っていない人は資格有りと考えてよいと思います。(フリーターもOKです)

○企業型年金加入者、厚生年金基金等(注)の加入員等の対象となっていない企業の従業員(国民年金第2号被保険者)
つまり厚生年金に加入していても、企業年金などの確定給付型年金制度には入っていない人です。

公的年金制度をまとめると次の表のようなイメージです。



「たぶん2017/1月から」の人は現在国会で法案審議中ですので、個人型確定拠出年金がどんな制度なのか勉強しつつ制度開始を楽しみにお待ちください。

この法案に反対した人や政党はブラックリストに記録しておきましょう。

可決成立したら超高利回りのへそくり貯金としてぜひおすすめします。

ただし60歳までは積立金の引き出しはできません。
そして無収入の専業主婦も節税効果は期待できません(^^;)

2016/5/24
衆議院本会議において、確定拠出年金法(DC法)改正案が可決成立しました。
2017年1月より確定拠出年金を利用できる対象者が拡大されます。
(愛称iDeCo:イデコ)

参考
iDeCo(イデコ)の投信は9割りが くずだ!

超お得な公的年金制度は確定拠出年金だけではありません。
掛け金が全額所得控除できる制度の一覧と掛け金の限度額を次の表に示しています。

いずれの制度も、所得に掛けられる合計の税率が20%なら実質利回り25%、合計の税率が30%なら実質利回りが43%にもなるので絶対におすすめです。


注意
・個人型確定拠出年金と国民年金基金は併用した場合、合計した限度額はやはり月額68,000円、年81.6万円までとなります。
(ちがいは国民年金基金はお任せ運用(低利率)、確定拠出年金は自分で運用)
・小規模企業共済の加入資格は従業員20人以下の個人事業主や共同経営者、法人の役員などです。


この限度額以内であれば懐具合により掛け金を任意に設定でき、1年に1回見直すことができますので、子の進学などで家計に余裕が無いときなどは減額できます。
(最低5,000円から1,000円きざみで設定することができます。支払困難な時期は中断し、余裕ができたら再開することもできます。)

国民年金はすでにこちらで解説しましたが、保険料は変更できませんし、国民の義務ですから、支払いましょう。(保険屋さんの売っている個人年金保険などより比較にならないほどお得な制度です。)


国民年金基金はこちらの解説をごらんください。

個人型確定拠出年金についてはこちらをご覧ください。

小規模企業共済についてはこちらをご覧ください。


個人型確定拠出年金については加入手続がやっかいなうえ、銀行などの金融機関で加入すると手数料などがぼったくられますから、注意が必要です。

では加入の手続は、

1 窓口となる金融機関を選ぶ
  窓口を通じて国民年金基金連合会に申し込みする。
  私のおすすめはネット証券です。


2 運営管理機関を選ぶ
 運営管理機関は「運用関連業務」と「記録関連業務」の2業務を行い、「運用関連業務」とは加入者に投資メニューなど資産運用に関する各種情報を提供してくれます。

 この選択を間違えると自社商品のつまらない投資信託をすすめてくることがあります。
 
  ネット証券ではSBI証券だけが運営管理機関となっています。


3 運用商品の選定
  一般に固定金利商品、リスク性商品など3品目以上の中から自分自身のリスク許容度に合った商品を選択します。

 とりあえず固定金利商品を選択し様子をみましょう。(とにかく掛け金を支払った年は高利回りが確定しているので急ぐ必要はありません。)その後リスク性商品を時間をかけてじっくり選びましょう。
 とにかくわたしのおすすめ商品はETF、ETF、ETF、ETF、ETF・・・・・・・です。
(今のところ、ETFを選択できる個人型確定拠出年金はありませんが・・・たぶん2、3年の内には出てくるのではないでしょうか。)



投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。