導入編
FXの倍率(レバレッジ)が2011年8月から25倍に引き下げられます。
倍率引き下げの目的は、投資家の保護にあります。
この規制は極めて妥当なものだと私は考えます。
現行制度でも自己抑制の強い人は自分自身で低倍率にコントロールできますが、多くの人たちは限度一杯の50倍にして取引しているようです。
高倍率の個人投資家が多い理由は、少額投資で高額な取引(高額な利益)ができるからです。
たとえば、1万米ドル(約82万円)の投資が50分の1の1万6千円程度でできてしまいます。
1万6千円ですから、パチンコや競馬と同じような感覚だと思います。
パチンコや競馬は勝率5割は困難だと思いますが、FXはほぼ50%の確率で勝つことができます。
つまり買値が上がる確率50%、下がる確率50%ということです。
いわゆる「丁半ばくち」と同じです。
1万米ドルを買った場合、1円60銭ドル高になると、1万6千円の儲けとなり、投資額が倍になります。
反対にドル安になるとロスカットされ、わずかな金額しか残りません。
スリルと小遣いかせぎ感覚なのでしょうが、けっこう依存症の方もおられるようです。
さて、私が倍率規制に賛成な理由は、多くの個人投資家が雨後の竹の子のように増え続けるFX業者の食い物にされている現状が改善されると思うからです。
なぜそう考えるのかといえば、ハイレバレッジでは投資額が少なすぎるため、日々の為替の変動に対応できないので、丁半ばくち状況(出たとこ勝負)となり、損切りなどの短期売買が盛んに行わる結果、FX業者だけが儲け、個人投資家はトータルでは損失となってしまうからです。
またFXは大変なブームとなっていますが、FX業者だけでなく、出版やセミナー、ロボット投資システム販売などFX投資家にむらがる輩が多数います。
ちょっと考えれば「儲かるノウハウ」を知っているなら、他人に教えず自分だけで儲けた方がよいはずなのに、そうできない(儲からない)理由があるのです。
はっきり言って「短期売買」では儲からないと言うのがプロの世界の常識です。
つまり素人相手に「儲け話」をしているすべての自称プロたちは詐欺師です。
一方どの世界にも例外的な天才はいます。
でも凡人は勉強しても天才にはなれません。
投資は天才的「センス」があれば儲けられますが、勉強した秀才(たとえノーベル経済学賞の学者)が勝てるほど単純ではないと言うのが100年以上の歴史が証明しています。
以上を要約すると
私はレバレッジ規制に賛成です。
理由は、個人投資家の健全な投資環境が整備されるからです。
倍率25倍以下は最適な値であり、この倍率が健全な投資環境を作ります。
そして規制により儲ける個人投資家が限りなく50%に近づきます。
なぜ25倍以下なのかの理論的検討は次回以降で・・・
その1
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