2010年11月29日月曜日

高金利の外貨定期預金の登場

これまで銀行の外貨預金は、本来の高金利が完全には反映されておらず、まして為替手数料が極めて高い状況にありましたから、為替リスクを取ってまで預金するメリットがありませんでした。

しかし、11月25日にネット専業である住信SBIネット銀行の豪ドル定期預金金利が5%となり、極めて魅力のあるネット定期預金が出てきましたので紹介したいと思います。

特徴は、
○10豪ドル(約820円程度)から預入でき、上限なし
○為替手数料は1豪ドル当たり片道50銭(キャンペーン期間中は25銭)
○預入期間は
1ヶ月(3%)
2ヶ月(3.1%)
3ヶ月(3.103)
6ヶ月(3.355%)
1年(5%)
(金利は税引き前)
○満期日に元金に利息を加えて自動継続でき、複利効果が大きい。

預入の具体例
外貨定期預金に1万豪ドル(約82万円)預入れ時
豪ドル金利(1年もの)年5%(税引前)
の利息の計算は、
10,000豪ドル×0.05=500豪ドル
源泉徴収 500×0.2=100豪ドル
利息収入 500-100=400豪ドル
注 分離課税の場合、利息には20%の税金がかかります。
為替レートが82円で一定の場合は、
為替手数料
10,000豪ドル×0.25円=2500円(片道分)
この場合の利益は、
400×82円-5,000円=27,800円
利回りは、
27,800÷10,000×82円=約3.4%
となります。

外貨定期預金のリスクは2つあります。
1 為替レートの変動(円高による元本割れの可能性)
2 預金保険制度の保護がない

為替レートの変動リスクについては、豪ドルはリーマンショック直後に56円まで円高となりましたが、現状レートの82円を基準にとれば、元本が32%も減ったことになります。

しかし金利が5%なら、6年間の複利運用により1.34倍(34%増)となり、最悪の状況をも凌ぐ利回りが得られます。
自動継続による複利効果がありますからじっと円安を待つ戦略がお勧めです。
(現状としては異常な円高にあるため、私はむしろ円安による利益の上乗せの可能性の方が高いと思います。)

そのためには、当面必要なお金を預入するのではなく、5~10年程度じっくり運用できる余裕資金でなければなりません。

外貨投資については、現在の主流は高金利通貨に投資する投資信託で、「野村米国ハイ・イールド債券投信(ブラジルレアルコース)毎月分配型」などが代表的な銘柄です。

しかしエマージング市場は規模が小さく流動性(市場が荒れていても、いつでも売れる状況にあること)がありませんから、一旦投資資金が逃げ出す状況になると、買い手がまったく居なくなり暴落する危険性があります。

また「ハイ・イールド債券」とは格付機関からBB以下にランクされた債券に投資していますから、安全とは言い難い商品であり、長期投資には向きません。(参考 ハイ・イールド債券についてはこちらを見てください。)

ここでご紹介した豪ドル建定期預金は、為替リスクはあるものの高金利で運用でき、しかも定期預金ですから、確実に資産を増やすことができます。

現在の金利5%が何年続くかわかりませんが(オーストラリアの政策金利は、長期的に利上げ方向にあります。)、10年間自動継続した場合は、元本が約1.63倍(税引き前、豪ドルベース)にもなります。

少額から預け入れられ、しかも高金利であり、安全性も高く、円高の今はよいチャンスだと思います。
この外貨定期預金はお勧めです。


住信SBIネット銀行



補足 2011.5.30
ナショナルオーストラリア銀行で5月より定期預金金利(キャンペーン金利)がつぎのようになっています。(預入金額は、新規500万円以上、既預け入れの方は200万円以上
1年 5.2%
2年 5.5%
3年 6.0%

為替手数料は1豪ドルあたり0.3円です。

ナショナルオーストラリア銀行


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