2010年5月18日火曜日

毎月分配型投資信託の今


有名なグロ・ソブ(国際-グローバル・ソブリン・オープン毎月決算型)についてのお話です。

円高とユーロ安の直撃を受け、グロ・ソブは非常に厳しい状況となっています。
一時は大変な人気でしたが、陰りが見えて来ました。

基準価額は、設定来最安値の5835円(5月17日)となり、1年前からは10%減となっています。
純資産も3兆6千億と、1年前から約20%減の状況です。
しかし、分配金が毎月30円から40円(課税前)ぐらいありますから、この投信の購入者は安心しているのかもしれません。

さて、追加型投信の分配金については、「普通分配金」と「特別分配金」がありますが、なかなか理解されていないのではないでしょうか。
これは、平成12年4月以降に適用された「個別元本方式」による課税の考え方から来ている区分です。

「普通分配金」と「特別分配金」をイメージ的に言えば次のような感じになります。

「普通分配金」とは、預金の利子と同じようなものと言えます。(増えれば嬉しいもの。儲けですから税金は取られます。)
「特別分配金」とは預金の一部払戻のようなものと言えます。(単なる預金の取り崩しです。何の儲けもありませんから、当然税金はかかりません。)

さて個別元本方式の考え方は、分配金について、「元本を越えた分について課税する」(利子課税と同じ考え方)ということです。

例えば、購入時の元本が1万円で、
その後基準価額が9千円となり、
分配金が1500円の場合、
元本1万円を越える500円についてだけ課税されます。

分配金の残りは、元本に繰り入れ、基準価額9千円+千円=1万円とし、購入時の元本に戻します。(別のやり方も有りますが、ここでは分かりやすく説明するためこのように考えます。)

ここにおいて「普通分配金」は500円、「特別分配金」が1000円に分けられます。
(では特別分配金を再投資せず投資家に分配した場合は、個別元本は9千円に下がってしまい、次回の分配金については、9千円を超えた金額に課税されます。特別分配金=元本の取り崩しになっているのです。)

一方もし同じ投信を11000円で購入(個別元本)した人がいた場合、基準価額9000円+分配金1500円=10500円なので、個別元本を下回っており、分配金への課税はありません。
「個別元本方式」のしくみとしては、投資元本にもどるまでは分配金には課税されないようになっています。

これは、再投資型投信の説明なのですが、毎月分配型投資信託では、投資元本に戻す努力よりも、ムリをしてでも毎月配当せざるを得ないため、タコが自分の手足を食べるように「投資元本食いつぶしシステム」が作用しています。

毎月分配型投信は、投資先が債券(利付債)なのでクーポン(利息)があります。
分配金の原資はクーポンになりますから、毎月決済し分配金として投資家に分配されます。

ここで問題なのが「特別分配金」の扱いです。
現状のように毎月基準価額が下がっているときも分配金を払い続けていると、その分配金は「特別分配金」となります。

「特別分配金」は本来は、投資元本に戻すための原資なのですが、つまみ食い的に投資家に毎月支払われています。

その結果、個別元本がみるみる低下して行きます。
大らかな投資家は、銀行口座の残高しか見ないと思いますので、毎月の分配金さえ払われていれば安心なのでしょうが、個別元本がジェットコースターになっている(元本が配当の原資になり、取り崩しが常態となっている)ことを知ることもムダではないと思います。

以上の関係をシミュレーションした表を作りましたので見てください。
Y年12月の時点で個別元本は9183円ですが、特別配当金合計817円を再投資していれば個別元本は1万円のままです。


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