2010年9月18日土曜日

日本経済の処方箋(その1)

「失われた10年」が20年になろうとしています。
エコノミック・アニマルやジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた時代が夢のようです。
今の若い人たちは、生まれたときから右肩下がりで、何もよいことはなく、給料も増えず、車も仕事もなく、結婚もできず、将来は年金もあるかどうか、国の借金のためにバカ高い税金に押しつぶされそうな・・・

これはだれの責任なのでしょう?
民主党は、「仕分け」などで官僚をやり玉にあげていますが、問題の本質は官僚の無駄遣いではありません。
このような日本経済になってしまった原因は、別にあります。

江戸後期、水野忠邦が天保の改革を行っています。
年貢米収入が激減し幕府財政が逼迫し、また物価高騰により武士が窮乏している状況を改革するため、「法令雨下」と呼ばれるほど多くの法令を定め、株仲間の解散を命じたり、低物価政策や低質な貨幣を濫造しました。

しかし、物価は上がり、貨幣価値は下がる等すべての経済政策が行き詰まり、結局は失敗に終わりました。

失敗の原因は、「経済(市場)」は命令で動かせると思ったことにあります。
ソ連も、社会主義経済において一時は発展したものの、結局は「命令」で経済は動かないという現実により、国自体が崩壊してしまいました。

明治以来、御上(役人)が法律を作り、この国を支配して来ました。
一高から東大法学部を卒業し、高級官僚になることがステイタスだったのです。
明治-大正-昭和と彼らは国策を法律化し、実行しました。
戦後も産業振興政策を作り、予算を傾斜配分し、銀行を保護しました。そしてりっぱな日本にしたのです。

つまり日本はこれまで「官僚社会主義国家」だったのです。
「社会主義」は「経済」に命令します。このシステムこそが日本経済の発展を妨げているのです。
社会主義は、すでに歴史的使命を終えたのです。

したがって、一日も早く官僚支配による「経済」への命令を止めさせなければなりません。
その政策の見本は、「サッチャリズム」にあります。

1980年以前の英国では、「ゆりかごから墓場まで」と言われるように、国の規制や産業の国営化及び産業保護政策により、国際競争力が低下し、経済成長を停滞させていました。
現在の日本でも、郵政の再国有化や高福祉、バラマキ政策などはサッチャリズムの正反対の政策といえます。

「サッチャリズム」の核心は、「民営化」「規制緩和」です。
要は、真の資本主義に脱皮することなのです。
真の資本主義とは、「競争」にあります。
日本の製造業が一流なのは世界の「競争」に勝ち残ったからです。

この200年間、株価は常に7%で成長し、880万倍になっています。
これは、株式会社という希有な発明による成果ですし、常に革新しないと淘汰されてしまうシステムだからこそなし得た成果なのです。

いま「やさしい」政策のために、多くの若者から仕事や希望が奪われ、国の富が簒奪されています。
その処方箋は「経済戦国時代」を作り出すことです。
そうすれば日本はすぐに復活します。

日本経済の処方箋(補足

日本経済の処方箋(その2

日本経済の処方箋(その3