2016年6月6日月曜日

リーマンショックで損したもの、得したもの(その3)


(2)商品

  やっぱり有事の「金」

 投資家心理が不安に駆られると、どうしても不変の価値を持つ「金」が買われます。
グラフはSPDR® ゴールド・シェア(1326)の推移状況を示しています。


誤解の無いようにあらかじめ説明しておきますが、リーマンショック後の急激な価格上昇は、中国の爆買いにより金バブルとなったため、この影響によりゴールド・シェアの基準価額も暴騰したと考えられます。

中国景気については金の価格の動きを見れば一目瞭然。
たぶん2011年以降不景気に突入していたのでは・・・

ということで2011年9月7日を「金バブル崩壊の日」と私が勝手に決めさせていただきました。

参考
2011年9月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙は「安全な避難所と崇められた金の急落」で様々な投資家の意見を載せ分析していますが、結局よく分からないというのが結論のようです。
2012年6月23日付 英エコノミスト誌の「コモディティー価格の下落と世界経済」も様々な商品の下落について分析していますが、結局の所ほんとうの原因については何も書いていません。


さて本題のリーマンショックで金は儲かったのか?

2008年
9月12日 88%
9月16日 91%
9月17日 96%
9月18日 102%
9月19日 102%
9月22日 105%
9月23日 106%
9月24日 105%
  ・・・・  ・・・
10月10日 106%
10月13日 98%
10月14日 98%
 ・・・・  ・・・
10月22日 88%

つまり金は9月16日から約25日間で18%上昇し儲かったようです。

でも10月13日には暴落。金の賞味期限は案外短いのです。

当初混乱していた投資家は金にしがみつきましたが、暫くして落ち着いて周りを見渡せば、安全で利回りの良い債券などの投資先を見つけることができるので、利回り0%の金にはさっさとおさらばという感じなのです。

しかし中国ではそのようなよい商品が見つからないので、不動産、理財商品、金しか選択支は無く、景気刺激策としてばらまかれた4兆元(約60兆円)のマネーはこの3つの金融商品へまっしぐら・・・と私は考えています。


(3)為替

市場が不安に駆られるたびに円買いが起こり、マスコミは「円は避難通貨」と書き立てています。

マスコミは地頭がよくないせいなのか手っ取り早く「納得できそうな理由」に飛びつき、本当にそうかどうかはまったく考えもしませんから、話半分の8割引きぐらいで記事を読むのがちょうどよいと思います。

避難通貨が真実かどうかはともかくとして、そうしたワンパターンな思考がヘッジファンドに狙われ、出足がのろいミセスワタナベが割を食っています。

参考
高頻度取引(HFT)では、ワンパターンな思考回路を手順化して売り買いを瞬時に行いますから、世界中の投資家が同じ思考回路で同じ行動をとると、ヘッジファンドに先回りされ「カモ」にされてしまいます。つまりマスコミは投資家を洗脳することでヘッジファンドのお先棒を担いでいることになります。

ではリーマンショックで「円」は儲かったのか?

円は9月12日の100%から12月17日の約3ヶ月間に124%まで暴騰しています。(グラフ参照)
具体的には、9月12日の107.9円から87.4円まで20.5円も値上がりしています。

このときから日本経済にとって長く厳しい超円高の状況が続くことになります。


客観的に見てリーマンショックでは、債券よりも金よりも「円」が最も儲かったと言えます。

つまり銀行預金などで円をじっと持っていた人が相対的に儲かったのです。

注意
そのような人にとっては円安となった現状は、元の木阿弥であり儲けはチャラになってしまいましたから、「儲かった」と言える人は、円高のチャンスを活かし外貨投資をした人だけです。


一方このときミセスワタナベは、多分円を売り外貨を買っていたと思われますから、リーマンショックでは本当にショックを受けたのではないでしょうか。

また当時輸出企業は円高に喘ぎ、家電や車などの製造メーカーは中国に工場を移転し、ニュースでは派遣切りが騒がれていましたが、エコノミスト、経済学者、政治家の中で断固として円高を是正すべきだと主張した人はいません。

しかしこのグラフが示しているのは、「円高」は国難であり、「円安」は国益だという事実です。

この経験からはっきり言えることは、エコノミスト、経済学者で日本経済について真実が分かっていた人はいなかったということです。(バーナンキなどの欧米の経済学者たちは日本の金融政策は馬鹿げているとさかんに指摘していたのですが・・・)

日本ではマスコミと同様、経済の専門家もあてにはならないようです。





リーマンショックで損したもの、得したもの(その1)

リーマンショックで損したもの、得したもの(その2)