NISAを利用する場合のポートフォリオについてイメージ図を示します。
(図はクリックすると拡大します。)
2 ポートフォリオにおける正しいNISAの使い方
NISAの利用において、最も重要な点はやはり「始めにポートフォリオありき!」ということです。
「使わなきゃ損!」ということで流行の波に乗ってしまうと将来とんでもないことになるかも知れません。
20代、30代の方は結婚、子育て、自宅の購入など当面はとても重要なライフイベントが控えています。
そのため将来に備えてしっかりと流動性資産や安全性資産を作らなければなりません。
ですから将来のための貯蓄はしっかり確保できていることを前提に、余裕資金があるのならNISAを活用してもよいでしょう。(ポートフォリオの考え方についてはこちらをご覧ください。)
上の図を参考に、資産全体をまず把握し、流動性資産、安全資産を確保した上でNISAの利用を考えましょう。
では、リスク性資産をお持ちの方、これから持ちたいと思っておられる方へのNISA利用のアドバイスは以下のとおりです。
リスク性資産が500万円以下の方は、順次すべてのリスク性資産をNISA口座の中で持ってよいでしょう。(利用しないともったいない)
ただしDC(確定拠出年金)がある場合は、DCはそのまま継続しましょう。なにしろ掛け金は会社持ちなのですからお得ですし、個人型でも預入期間がDCは長期となりますから、10年程度の中期的なNISAとは区別して考えましょう。
50歳前後の方はDCもNISAも同程度の預入期間となりますから、全く課税されないNISAに比重を置いてもよいでしょう。(マッチング拠出を減らしNISA口座に振り向ける。)
リスク性資産が500万円超の方は、ハイリスク・ハイリターンの商品から順次NISA口座で取得しましょう。(長期投資に向かない毎月分配型はおすすめしません。)
現在お持ちの投資信託などのリスク性資産は、特定・一般口座からNISA口座へそのまま移管出来ませんから、一旦売却し再購入するしかありません。
その際、売却による譲渡益課税は、2014年に10.147%から20.315%に引き上げられるため、NISA口座に移し替えたい銘柄については年内に売却することをお勧めします。
注意
余裕資金の関係で積立となる場合は別として、余裕資金が現在あるのなら早期にNISA口座に投入し投信などを購入した方が、期間の定めがあるNISAではより長期の運用ができるので、お得になります。
注意
ハイリスク商品は損をした場合、損益通算ができないのでNISAに向かないという意見がありますが、NISAの欠点ばかりを見て最大の利点が活かせないので投資戦略としては稚拙です。
正しいNISAの使い方(その1)