2011年6月2日木曜日

太陽光発電(ソーラー発電) 投資は儲かるか?(その2)


(図はクリックすると拡大します。)


前回は、太陽光発電システム単体としての投資額とシステムの稼ぎ出す金額を比較しました。

今回は、電気料金全体及び太陽光発電システムのライフサイクル・コストについて比較検討してみます。

太陽光発電システムのライフサイクル・コストとは、長期的な維持経費のことです。

一般に太陽電池モジュールは信頼性が高く、設置時には10年間の品質(出力)保証が付けられています。(この期間に90%以下に出力が低下したら無償交換となります。)

税法でも減価償却期間が17年ですから、概ね20年間は修理が発生しないものと考えられます。

パワーコンディショナー(リモートコントローラを含む)は、一般の電子機器と同様10年が更新の目安とされています。(保障は、テレビなどと同様1年間です。)

SUNVISTAの3.0kw屋外用パワーコンディショナーの単価は313,740円ですから、維持経費としては、10年目にこの交換の経費のみが発生することとなります。

電気料金については、私の場合次のような内容となっています。

全般
家全体はオール電化
床暖を給湯(エコキュート)により実施しているため冬期の電気料が高額

東電との契約「電化上手」
単価
基本料金 2,646円
朝晩 23.13円/kwh
昼間  28.28円/kwh(夏期 33.37円/kwh)
夜間 9.17円/kwh
全電化機器割引 5%

太陽光発電の買い取り契約
単価 48円/kwh
期間 10年間

電気料平均月額(実績) 上図の円グラフ参照
基本料金 2,646円
昼間 1,893円
朝晩  5,722円
夜間  2,888円(床暖使用期間を除く)
燃料費調整 -1,309円(燃料価格の変動による料金調整)
全電化機器割引 -836円(オール電化による割引)
合計 11,004円

電気料金が高いように見えますが、オール電化のため、ガス料金相当額も電気料金に含まれています。

また、本来であれば太陽光発電による節減額4,056円(買わなくてすんだ電気料金)がこの料金に上乗せされますから、太陽光発電がない場合の月の電気料金は15,060円になります。

夜間の電気料は、主にエコキュートによりお湯を沸かすためのものですが、冬期に床暖を使用すると2倍以上の料金となります。

参考
電気ヒーター式の床暖とエコキュートによる床暖を比較すると、エコキュートは約13倍もお得です。
電気ヒーターは電気エネルギーを直接熱に変えますので、1kwは1kwの熱になるだけ(電気ストーブも同じ)ですが、エコキュートはヒートポンプにより使用した電気エネルギーの5倍の熱を発生させ、また深夜電力は朝晩の単価の2.5分の1ですから、5×2.5=12.5倍もコストパフォーマンスが優れています。(電気料金が12.5分の1になります。)

以上の関係を20年間にわたり、太陽光発電にした場合と、太陽光なしの場合について累積経費をグラフにしたものが上図です。

図から、概ね13年後から太陽光発電投資により儲かり始めます。

20年後では約69万円の儲けになります。

利回りは約1.5%となりますから、銀行預金よりはよいと思います。

ただし、初期投資が200万円(キロワット当たり63万円)を超えたり、ローンを組んで設置した場合は、20年後でも利益が出ません。

今後、変換効率がよく(20%超)、低価格な太陽電池モジュールがどんどん出てくるものと思われます。

その結果キロワット当たり40万円(設置費込み)ぐらいのシステムが出てきたら、投資としてのうまみがありますから、現状は様子見がよいと思われます。

一方東電の経営状況及びグリーンエネルギー推進のため電気料金がとんでもなく高くなった場合は、たとえば40円/kwhぐらいになった場合も太陽光発電投資にはよいチャンスかも知れません。

そうなったら私は、実家の田畑すべてに太陽光発電設備を設置しミニ発電所を経営したいと考えています。(大いなる"夢"ですが・・・)

孫社長のプランが実現することを陰ながら祈っている今日この頃です。


川島FPのいいかげんな予言

マクロ的に見て私は電気料金は上がると考えています。
脱原発が世界的な趨勢となりますから、化石燃料への需要が当面高まります。

また原油は、中国はじめアフリカ諸国、南米諸国などの経済発展により需要が拡大し、バレル当たり100ドル超の価格が常態化すると思われます。

そしてなにより、ここ2~3年の内に為替は極端な円安となるため、輸入財、特に原油は現在の価格の数倍になると考えられます。

したがって、電気料金はkwh100円超もあり得ると考えます。
(発電所建設は短期間にはできませんから、長期的に電力の需給が逼迫し、需要抑制のためにも電気料金は上げざるを得なくなります。)


東電の経営安定化のための電気料金値上げも込み込みなのは言わずもがなです。

ですから今後10年間を見通して判断すると、「太陽光発電」への先行投資は、きっとお買い得になると思います。

(投資は自己責任でお願いします。)

参考

[2012/6/28付 日経産業新聞] 記事を引用させていただきました。
シャープは27日、7月から自社で販売する住宅用太陽光発電システムで15年間の保証制度を始めると発表した。
保証料は設置するシステムの容量に応じて支払う。現行は無料の10年保証だが、保証期間を投資回収に必要とされる15年間に延ばし、新規導入を促す。
すでに10年保証を契約した利用者も15年保証に切り替えることができるようにする。

太陽電池モジュールだけでなく、発電した電気を家庭内で使えるように変換するパワーコンディショナーや室内で発電状況などを確認するモニターも保証対象になる。




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