2010年7月5日月曜日

不動産投資はお勧めか?(その2)

不動産投資に魅力が出てきました。
不動産投資には、キャピタルゲインとインカムゲインがありますが、家賃収入によるインカムゲインが不動産投資の王道と言われています。
家賃収入は、設備や管理面の価値も反映されるため、不動産価格ほどは下がりませんから、現状ではインカムゲインの魅力が高まっています。

J-REIT(jリート、不動産投資信託)については既に投稿しましたが、2007年に一時3%台まで下がった分配金利回りが、ここ2年間は6%前後となっています。
今回は、その魅力のあるREITよりも一段と魅力が増したREIT-ETFをご紹介します。

ETF(Exchange Traded Fund)とは上場投資信託と言われ、インデックスファンドと株式とを合わせた特徴を持つ商品です。
その大きな特徴として株式と同様、市場に上場されているのでリアルタイムに売買ができることです。

ETFとREITは、ともに平成13年東証に市場が開設されましたが、当初はREIT-ETFがありませんでした。
東証では、平成15年4月よりREIT全銘柄を対象とした「時価総額加重型」の株価指数として東証REIT指数を発表しています。

この指数は、基準日である15年3月31日の全REITの時価総額を1,000として、現在の時価総額がどの程度かを表しています。
東証REIT指数が定着するとともに、全銘柄に投資したいとの投資家からの要求もあり、平成20年に導入されたのがREIT-ETF(東証REIT指数連動型上場投信)です。 
現在、野村アセットマネジメントと日興アセットマネジメントの2社が上場しています。

それぞれの内容はつぎのとおりです。
○管理会社 野村アセットマネジメント
名称 NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(コード 1343)
主な運用手法 指標構成銘柄への投資
売買単位(口) 10
取引手数料 販売会社の規定による
信託報酬(税抜き) 0.32%

○管理会社 日興アセットマネジメント
名称 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(コード 1345)
主な運用手法 指標構成銘柄への投資
売買単位(口) 100
取引手数料 販売会社の規定による
信託報酬(税抜き) 0.315%
分配金支払基準日 奇数月の8日
細部は、こちらをご覧ください。

REIT-ETFの特徴は、
・REIT市場全体に広く分散投資しているので、リスク分散が図れる。
・不動産投資、REIT投資に比較し少額、かつ低コスト
・株式と同様に、リアルタイムで売買が可能
主なリスクについてはつぎのとおりです。
・株価変動リスク(不動産投資証券に高い割合で投資していますから、日々価格が変動します。)
・信用リスク(発行体において利払いや償還金の支払いが遅延したり、支払いが滞るリスクがあります。)

価格変動リスクについて、日経平均と東証REIT指数連動型上場投信(REIT-ETF)のここ約3年間の推移状況をグラフに示しています。

相関係数は0.8であり、ほぼ同じ傾向を示していますが、標準偏差(価格変動リスク)は、日経平均が11.2%、REIT-ETFが9.1%と株式に比べて低くなっています。(中程度リスク)

この理由は、安定した家賃収入(安定した分配金)と、株式に比較し不動産価格の変化が少ないことがあげられます。

そしてリターンについて、REITは株式に比較し相対的に高利回りです。
その理由は、株式の場合、会社の利益に法人税が課税され、しかも利益の一部は社内に内部留保され、残りが株主に配当されますが、REITには法人税は課税されませんし、利益の90%以上が配当されるため高利回りとなっています。

個人でマンション投資をする場合、極めて煩雑な業務が発生し、その割には利益が出ません。
このREIT-ETFは、まったく株式と同様に売買が可能であり、低価格で投資でき、中リスク・高利回り、不動産管理等は100%専門家にお任せですからお勧めだと思います。

もう一つ、私がお勧めする理由は、比較的インフレに強いと言うことです。
私は、日本は今後悪性のインフレになると予想しています。

この対策としてベストの投資先は外貨だと思いますが、国内で投資するならREIT、しかもREIT-ETFがよいと思います。


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