2010年6月2日水曜日

老後資金の準備と運用(その3)

余裕資産の運用の前に寄り道です。

[住宅ローンの返済はどうしたらよいか]
住宅ローンについては、定年近くの方の多くは、返済も残り少なくなっていることと思います。
金利が3%超、住宅ローン減税も関係なしだとすると、アドバイスとしては、退職金や貯蓄があるなら、早期返済がもっともよいお金の使い方です。

なぜなら、運用で3%を稼ぐことは現状ではほぼ困難だからです。
お金を運用する時の基本は、金利の高いところに優先的に配分することです。
金利は借財でも、投資でも一緒に考えますから、住宅ローン金利を上回る投資先がない限り、返済を優先させることが最善の投資となります。

注:流動性資産の確保は、金利にかかわらず必要です。
収入があるからと言って、住宅ローン返済を継続しつつ、預貯金や投資を行うことは、お金の運用方法としては非効率的です。

[保険は止めどき]
一般的に60歳や65歳で更新時期となる保険を契約している方が多くおられます。
終身保険は継続してもよいでしょうが、高額な保障をつけている定期保険(更新のあるもの)などの特約は止めどきです。
60歳で必要な保険は500万円ぐらいの死亡保障と入院5000円程度の医療保険(三大疾病入院付)だけです。

医療保障が特約でついている保険などは、数百万を一時金で支払うと終身保障となるものがありますが、ネット通販で格安な医療保険が販売されていますから、もし健康なら、検討の価値ありです。

その他介護特約とかがありますが、60歳更新では保険料がバカ高くなりますので、500万円以上の余裕資金があるなら貯蓄対応に切り替えた方がもっともお得です。

・余裕資産の運用
大事なことは、あなたの「リスク許容度」を知り、ストレスのない投資を心がけることです。
株投資なんかをすると夜も眠れないという方なら、預貯金と個人向け国債だけをお薦めします。

でも重ねて助言しますが、インフレリスクはありますから、時間をかけて投資の勉強をし、理解できる範囲でチャレンジされることをぜひお薦めします。

他方、リスク許容度が大きすぎる方も問題です。
売買を頻繁に繰り返すことは証券会社を儲けさせるだけです。
じっくり待つことが投資で負けないコツですから、資産を減らさないよう冒険心を押さえる努力も必要です。

投資の相談相手として銀行や証券会社の無料相談は避けてください。
タダより高いものはありません。
有料でも信頼できるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してください。

[資産の運用先]
◇株式(国内、国外) ハイリスク
◇不動産(国内、国外) ハイリスク 
◇債券(国内、国外) ミドルリスク
◇商品(先物) 超ハイリスク
◇外貨  ミドル&ハイリスク

[お薦めの投資法]
老後資金の運用目的は、インフレのリスクヘッジです。
したがって大きなリスクを取ることは避けなければなりません。
長期でじっくり増やすことが大切です。

そのためには、多くの資産に分散投資することが最適です。
知識を蓄え、自分自身でポートフォリオ(複数の投資物件により構成される資産リスト)を作ってもよいのですが、理論的には25品目以上から構成されるポートフォリオが理想的なので、分散投資の手段として投資信託の活用をお薦めします。

[投資信託の選び方]
どの投資信託が儲かるかはだれにも分かりません。
ただ言えることは、長期投資ではコストの安い投資信託に勝るものはありませんから、ノーロード(買い付け手数料0円)のものをお薦めします。



老後資金の準備と運用(その1)

老後資金の準備と運用(その2)

老後資金の準備と運用(その3)

老後資金の準備と運用(その4)



参考
お得な個人年金の作り方



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