2010年5月1日土曜日

FXとデリバティブ

デリバティブは金融派生品と言われています。派生とは、本体から幾つかのものが分かれ出ることですから、要は本体(実態、現物)があって、それに関連(リンク)した金融商品ということです。
一般的には、商品、株式、債権、現金等の現物から派生した商品で「無形のもの」と説明されています。
無形ですから幽霊のことですね。
幽霊だからこの取引は恐いのです。

デリバティブには、先物取引、オプション取引、スワップ取引がありますが、オプション取引は、ギリシャ時代にオリーブ油を絞る機械の「使用権」が売買されていますし、先物取引については、江戸時代の大坂にあった堂島米会所で帳合米取引(米の先物取引)が行われていましたから、別に最近発明されたわけではありません。

さて、FXをどのように理解したらよいのかについての私見です。

いろいろの見解があると思いますが、FXは為替の先物取引に区分できると思います。
先物は将来の決済、それも現物ではなく差金決済が原則で、僅かな証拠金によりレバレッジを効かせて、証拠金の何倍もの取引ができるスリリングなゲームです。
しかも持ってもいないものを売れるのですから、ワンダーランドですね。

ここで債券先物取引の例を参考にご紹介します。
この取引では架空の債券(クーポン6%10年もの)が取引されています。今の世の中にクーポンが6%もあるような国債はありませんが、先物の世界ではあるのです。
つまり幽霊が取引されているのです。
取引ルールさえ厳格に履行されるなら、「幽霊」が売れてしまうのです。

とすると、FXの世界で「米ドル」と言っているものがたとえば「バッファロー」でもよいことになります。現物取引は行われないのですから取引対象は何でもよいのです。

1万ドルが取引単位なら「バッファロー1頭」を取引単位と考えればよいのです。
そうなったら、バッファローを100頭ぐらい買って、自分の牧場(口座)で飼ってみるのも楽しいと思いませんか。

FXの取引とは見方をかえれば仮想の世界の取引なのです。
証拠金は参加料です。
自分の牧場でバッファローをじっくり育ててみようかなって気になりませんか?


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