2010年11月26日金曜日

30台サラリーマンのための貯蓄術と資産運用法(その2)

2 為替について

未曾有の円高が続いています。
日本経済にとっては、塗炭の苦しみと言えます。

輸入品が安く買えたり、海外旅行が安くなるので円高歓迎と言っているバカな経済評論家もいますが、貿易により日本の経済が成り立ち、国民が暮らして行けるのですから、円安が日本の国益です。

現在の中国が世界中からの圧力に耐え、「元」安を死守していることからも自国通貨安が国益なのは明らかです。

為替については、もう一つの観点、「雇用」への影響があります。
雇用は、30台サラリーマンの方にとっては最も関心のあることだと思います。

円高に苦しむ国内企業は、利益の確保が至上命題ですから、ありとあらゆるコスト削減努力をしています。

これまでは正社員から派遣社員、パート従業員に切り替えて労働コストを押さえていましたが、それでもこの円高に耐えきれず、労働コストの安いアジア諸国に活路を見いだそうとしています。

例えば日本の平均賃金は年収で5万ドル(東京)
中国の平均賃金は上海で7千ドル、香港で1万7千ドル
韓国(ソウル)で2万7千ドル、インド(ムンバイ)で5千ドル

日本人1人に対して中国人なら7人を雇用することができます。
インド人なら10人も雇うことができます。

このため大手自動車メーカーは国内工場を閉鎖し、海外に移転を進めています。結果として、国内の雇用が数万人も失われようとしています。

これらの対策により株式会社は競争力を強め、株価は維持または上昇することでしょう。
そして、国内には失業者が溢れることになります。

現政権は介護等による雇用の確保と内需拡大を唱えていますが、低賃金と過酷な労働環境に耐えることを日本人全体が受け入れない限り「机上の空論」となるのは明らかです。

それは「雇用」の流動性が止められない以上、トータルとしての労働環境は低下せざるを得ず、法律で最低賃金を引き上げたところでますます「雇用」が国内から無くなってしまうだけです。

為替を考えるときに見えてくる真実とは、マネーに国境は無く、国内の事情がどうであろうと「需要と供給」が世界中を駆けめぐっているということです。

「資本」は儲かりそうな所に瞬時に移動し、「雇用」は高い労働能力と低賃金を求めてどんどんと流れて行きます。

現政権は「外交」も「経済」も、そして「倫理」も落第点です。
いまのような借金財政が続く限り「日本経済」の回復は今後30年間は困難と思われます。
したがって30台サラリーマンの方の「将来の安定した生活」を国が保障してくれる可能性はほとんどありません。(参考投稿)

ですからこれからは自分で努力して、自分の未来を切り開いてください。
その際の貯蓄と投資のアドバイスは次のとおりです。
キーワードは「リスクコントロール」と「円高の最大活用」です。

1 雇用が不安定なので、自分投資をして「スキルアップ」を図り、転職に備える(ファイナンシャル・リテラシーと英語能力も必要)

2 確定拠出型年金(企業型)は最大限活用する(運用先は、外貨建株式または外貨建債券、細部は後の投稿参照)

3 給与天引きによる貯蓄に努める(運用原資の確保のため50万円を目標)

4 50万円は先進国の外貨建債券(投資信託など)を購入(日本国債と新興国への投資はしない、細部は後の投稿参照)

5 自社株式は買わない(倒産したら、失業+「紙くず」となり二重のリスク)

続く


30台サラリーマンのための貯蓄術と資産運用法(その1)

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30台サラリーマンのための貯蓄術と資産運用法(号外)

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