2010年7月22日木曜日
三菱UFJ投信のeMAXIS(イーマクシス)はお勧めか?
2015/7/21
eMAXIS 先進国株式インデックスなどの評価は次の投稿にあります。
儲けたい人のためのETF講座(その10)
eMAXISは、やっと日本にも出てきた長期投資のための投資信託と言えます。
長期投資のための投資信託と言えばこれまで「さわかみファンド」がありましたが、このファンドはさわかみ投信の直販であり、また国内株式に特化していましたので、多くの投資家への普及には今一歩の感は否めない状況となっていました。
これに対し、三菱UFJ投信のeMAXISは、「ネット投資家向け」のブランド名であり、国内外をカバーしていることから今後普及拡大するのではないかと思われます。
この投信はファンドオブファンズであり特徴はつぎのとおりです。
○幅広い品揃え
世界の主要なベンチマークをカバーしたインデックスファンドが9本
(株式・債券・REITと国内・先進国・新興国の組み合わせです。)
○低く設定された信託報酬
国内ものは0.42%、海外ものは0.63%
(買い付け手数料はいずれも0円です。)
注:ファンドオブファンズとはマザーファンドに投資する投信(ベビーファンド)です。
注:ファンド9本の内8本は2009年10月に設定されたものであり、「全世界株式インデックス」はネットによるアンケートにより商品が企画され、この7月21日に募集が開始されたばかりの商品ですので、実績はまだ十分とは言えません。
注:販売会社はつぎのネット専業の6社です。
楽天証券
SBI証券
ジャパンネット銀行
マネックス証券
投信スーパーセンター
カブドットコム証券
各商品の7月22日現在の運用状況等はつぎのとおりです。
【日経225インデックス】
基準価額 9,147円
純資産総額 6憶円
第1期分配金 0円
【TOPIXインデックス】
基準価額 9,341円
純資産総額 6憶円
第1期分配金 0円
【先進国株式インデックス】
基準価額 9,236円
純資産総額 28憶円
第1期分配金 0円
【新興国株式インデックス】
基準価額 9,478円
純資産総額 47憶円
第1期分配金 0円
【国内債券インデックス】
基準価額 10,302円
純資産総額 6憶円
第1期分配金 0円
【先進国債券インデックス】
基準価額 9,128円
純資産総額 8憶円
第1期分配金 0円
【国内リートインデックス】
基準価額 10,199円
純資産総額 7憶円
第1期分配金 0円
【先進国リートインデックス】
基準価額 10,266円
純資産総額 8憶円
第1期分配金 0円
【全世界株式インデックス】
基準価額 9,836円
純資産総額 100万円
いずれの投信も設定から1年を経過していません。
モーニングスターのレーティングもありません。
しかし私は20年、30年に渡る長期投資のための商品としてはeMAXISは「優良」だと判断し、お勧めをします。
理由は、これまでの多くの分析から「アクティブ投信」は「インデックス投信」に勝てないことが明らかとなっていること。(こちらの投稿を見てください。)
投資において重要なことはリスクコントロールであり、そのための分散投資が必須ですが、この投信は投資対象も投資地域もこれ以上ないほど広く選択されていること。
そして低コストに徹していることが最も評価できます。
長期投資商品として大手では唯一、住信アセットマネイジメントからSTAMインデックスシリーズが2008年1月に設定販売されていましたが、eMAXISの低コストに刺激され、7月30日より信託報酬率を引き下げしています。
このような優良な商品が競争により一層低コスト化に向かうことで、日本の投資環境も大きく変わってくるのではないかと期待しています。
「貯蓄」から「投資」へ、「国内」から「海外」へ個人マネーが動き出せば長期低迷していた国内経済も明るくなってくるのではないでしょうか。
今では経常黒字は「物」「サービス」などの輸出産業が稼ぎ出す額より、投資による配当の方が多くなってきています。
個人マネーの50%の700兆円が投資された場合、リターンが5%なら、35兆円の利益と、税収7兆円が得られます。
少子高齢化による国内産業の空洞化が進んでいますが、「産業技術力の輸出」と「資産運用」が日本が生き残る道ではないでしょうか。
投信にだまされ続けた日本にようやく現れた個人投資家が利益が得られる優良な投信です。
今後の成長を期待しています。
ただし、個人投資家がこれら投信の運用方法を間違えてしまう可能性が大いにあります。
これらの商品は長期運用して始めて利益が得られます。
1年で倍になるものを血眼で探している人には向きません。
頻繁に売買を繰り返す人にも向きません。
ランダムウォーク理論が分かっていない人がまだまだ多いので、そのことが唯一の懸念材料です。
じっくり資産を増やす「心のゆとり」こそが最も大切だと思います。
したがってポートフォリオを組み立てたら、いじらないこと。
1年に1回、値上がりした投信を売り、安値になった投信を買い、ポートフォリオを元に戻す(構成比率を元に戻す)ことだけ行えば大きな果実が10年20年後に得られると思います。