概略につきましては、保健関係のブログ「保険はどのように選んだらよいか(その6)」に記しましたので、そちらをご参照ください。
前提として、夫60歳(嘱託社員1年更新、年収226万円、在職老齢年金は満額受給)、妻55歳(パート、年収130万円)とします。
今回は、老後資金はいくら必要かを算出することにします。
【いつまで生きるのか】
「平成20年簡易生命表」によると平均余命は、
60歳の夫は、22.58年
55歳の妻は、32.69年
になります。
女性の場合は、夫の定年後にもう一つ人生があると言えるほど長い年数が残されています。
したがってこの長い期間について、しっかり生活設計を立てておく必要が有ります。
【公的年金はいくらもらえるか】
目安となる金額を示しています。
夫60歳から特別支給の老齢厚生年金 約110万円
注意:生年月日による年金支給開始年齢
夫が65歳から、
老齢基礎年金 約79万円(40年加入)
老齢厚生年金 約110万円
加給年金 約40万円(65歳未満の妻がいる場合)
合計 約229万円
妻が65歳から、
老齢基礎年金 約79万円(40年加入)
振替加算 約5.8万円
(加給年金は支給停止され、振替加算が妻に支給されます。)
世帯合計 約274万円
参考:生涯にわたる公的年金の支給合計額は、この事例の場合、
6,933万円
【必要な老後生活費はいくらか】
生命保険文化センターの調査によると、
最低生活費24万円/月
ゆとりある生活費38万円/月
となっています。
今回は月28万円のパターンを計算します。
必要生活資金 28万円×12月=336万円
世帯の収支をまとめたものを表にしています。
夫は63歳、妻60歳で退職しています。
夫死亡後、遺族厚生年金の額は、
110万円×3/4=82.5万円
経過的寡婦加算 2万円(妻に終身給付されます。)
妻1人の生活費は、
28万円×70%×12月=235.2万円
としています。
この世帯の生涯を通じた合計不足額は、
2,257万円となります。
夫が退職するまでは、家計に余裕があるので、妻の収入を全額貯蓄すると、390万円になりますから、
2,257万円-390万円=1,867万円
この金額が個人年金として準備する必要のある金額となります。
老後資金の準備と運用(その1)
老後資金の準備と運用(その2)
老後資金の準備と運用(その3)
老後資金の準備と運用(その4)
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