2010年7月8日木曜日

確定拠出型年金(企業型)活用のすすめ(その2)

企業年金には、これまで厚生年金基金、適格退職年金がありましたが、適格退職年金は25年に制度が廃止され、今後は規約型企業年金と基金型企業年金に移行し、厚生年金基金を含めた3制度が企業の確定給付年金の柱となります。

そして確定拠出企業年金が4本目の柱として成長してきています。
確定拠出企業年金にはこれまでない特徴があります。

・この制度を採用している企業の従業員は規約により原則強制加入となります。
・年金原資は全額企業から拠出され、加入者一人一人の口座に入金されます。
(個人からの拠出(マッチング拠出)は認められていません。今後可能となる見込みです。)

・企業からの拠出は本来給与所得となりますが、全額所得控除できます。
・加入者の口座に貯まった年金原資は加入者自身が運用します。

・運用益があっても課税されません。
・元本割れしても会社は補填してくれません。

・口座の解約等はできませんが会社が倒産しても年金原資は保全されます。
・転職しても転職先で継続(転職先により企業型または個人型)できます。
・60歳までは引き出しできません。

このような制度ですから、とにかく「運用」するしか道はありません。
この制度導入の背景に、政府は国内の株式市場の活性化を期待していたと言われており、その方向に資金が流れるよう制度が作られています。

しかし個人にも大きなメリットがあります。
企業からの拠出金は全額所得控除できますから、30歳から始めて、月1万円の拠出とすると、所得控除合計額は360万円、所得税10%、住民税10%なら72万円も節税できます。

単なる個人年金保険料控除なら控除合計額が150万円、節税額が30万円ですから、確定拠出企業年金の方が約2.4倍もお得です。

それに、毎年の利益に課税されませんから、その分もだんぜんお得になります。
確定拠出企業年金とはこのような制度であり、活用するもしないも「あなた次第」ですから、私はぜひ「投資」にチャレンジされることをお勧めします。

その準備として商品知識(商品特性とコスト)はこちらをご覧ください。
意外と知らない投資の基礎

老後資金の貯め方と運用法

みんなが騙されている投資信託

あなたの知らない不動産投資

そうだったのか個人年金保険

バブルでしか儲からない商品投資

安全ではない債券投資

10年後に後悔しない外貨投資

ここで個人投資家にとってもっとも大事なことは、リスクの程度を知ることと、コスト意識を持つことです。

「投資」は「何が儲かるか」に意識が集中してしまいがちですが、それは神様しか分からないことなので、失敗しない投資をしたいなら「リスク」と「コスト」をしっかり理解してください。

「分散投資」と「ポートフォリオの構築」はやや難しい知識になります。
これを理解できれば中上級の投資家と言えます。
長期的に取り組んでください。

マクロ経済の知識は日常のニュースを参考に「自分としての視点」を持ってください。
その際の注意点は「儲かり情報」に引きずられないことです。

ネット、新聞、雑誌などに「儲かり情報」は氾濫しています。
私の経験では「儲かり情報」には「リスク」は有っても「お宝」はありません。
マクロ経済の知識は「お宝」を見つけるためではなく、「リスク」を見極める感覚を磨くために必要なのです。

最後に「ポートフォリオの構築」の留意点は、「自分と違う意見を組み込む」ことです。
自分の思い通りに行かないのが「投資」ですから、「保険」の部分が必要なのです。
これができれば「上級者」なのですが
私もまだまだ・・・(^^;)


投資や家計全般のご相談についてはこちらをご覧ください。