2010年7月10日土曜日

確定拠出型年金のすすめ

2001年10月から確定拠出型年金が日本にも導入されました。
私的年金に分類され、サラリーマンは企業年金の一つ(企業型)として、自営業者は付加年金、国民年金基金の他に別の選択支(個人型)としてこの年金への加入ができるようになりました。

確定拠出型年金の特徴(個人型)としてつぎの点があげられます。
利点
○転職先に持って行ける個人年金(ポータビリティ)
○掛け金が全額所得控除される
○掛け金額の変更が可能
○運用益への課税がない
○公的年金等に分類され年金給付時の控除が優遇されている
○60歳から受給できる
○現在高が把握できる

欠点
○資産運用は自己責任
○年金給付額が予測できない
○中途引き出しができない
○担保にできない

企業型は強制加入となりますが、個人事業主の場合は、自分で国民年金基金(地域型または職能型)に申し込みます。

選択支としては国民年金基金の掛け金+確定拠出型年金の掛け金=月額68,000円まで加入できます。

国民年金基金と確定拠出型年金を比較すると、課税関係は同じですが、
○ポータビリティ
○資産運用は自己責任
○国民年金基金は固定金利

の3点に主な違いがあります。

どちらを選ぶかについては、リスク許容度と資産運用知識によりますが、FPとして私は、確定拠出型年金へ重点を置いたポートフォリオをお勧めします。

理由は、3つです。
・将来のインフレリスクへの適応
・国民年金+国民年金基金のポートフォリオに懸念があるため。
・個人事業主の方もサラリーマンになる可能性もあること。


国民年金基金のポートフォリオはつぎのようになっています。
国内債券 25%
国内株式 25%
外国債券 10%(為替ヘッジ)
外国債券 12%
外国株式 28%

また国民年金(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオはつぎのようになっています。
国内債券 66%
国内株式 11%
外国債券  8%
外国株式 10%
短期資産  5%

平均すると、国内債券が45%にもなります。
国内経済の長期低迷と巨額な財政赤字を考慮すると、マイ・ポートフォリオはインフレヘッジ及び長期成長性が期待できる外貨建資産を増加させておいた方がよいと考えます。

そのためには、限度額の68,000円の枠の配分先としては、国民年金基金への掛け金は控えめにして、確定拠出型年金を増やすことをお勧めします。

確定拠出型年金のポートフォリオは、
定期預金30%
債券型投資信託30%
株式型投資信託40%

投資信託は、すべて外貨建としてよいでしょう。
投資信託を選ぶ基準は、手数料0%、信託報酬1%以下のインデックスファンドです。アクティブは避けましょう。保険(個人年金)もダメです。

国別では、米国とオーストラリアが政治・経済が安定しておりお勧めです。ユーロ、BRICsは価格の変動幅が大きい(リスクが大)ので当面は避けた方がよいと思います。


参考

確定利回り43%・・・なぜ使わない!

老後資金の準備と運用(その1)

お得な個人年金の作り方

iDeCo(イデコ)の投信は9割りが くずだ!


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