2010年4月29日木曜日

モダンポートフォリオ理論

堅い話ですが難しくはありません。気楽に読んでください。

またまた、たまご運び100m競走です。
Bチームの2人が二人三脚状態で走るとしたらどうなるでしょう?

2人の連携にもよりますが、たぶん一人で走ったのと(即ちAチームと)同じ結果になるはずです。
ここで問題となるのは、Bチームの2人が他に影響されずに独立して走っているのかどうかです。
二人三脚でなければころぶリスクは減ります。
一方、2人が前後に並んで走り、先頭が転びそうな危険箇所を逐次後ろの人に教えてあげたらどうでしょう。
たぶん、ころぶリスクはもっと減るのではないでしょうか。

モダンポートフォリオ理論では、分散する投資先について、その相関を検討します。投資先の動きが二人三脚のようにまったく同じならば、分散の効果がありません。

投資先が債権(安全資産)と株式(リスク資産)のように逆方向に動く(負の相関関係)ものに投資した場合、リスク低減効果が大きくなります。

したがって分散による効果を得ようとするなら、投資先がそれぞれまったく無関係に動くものか、理想的には逆方向に動くものに投資することです。

補足として、モダンポートフォリオ理論では、アンシステマチック・リスク (非市場リスク)、つまり個別銘柄に由来するリスクは分散により消去することができますが、システマチック・リスク(市場リスク)、たとえばリーマンショックのような市場全体が縮んでしまうような大きなリスクは消去できません。

現状では、世界経済の一体化が進んでおり、市場リスクが拡大しています。
したがってモダンポートフォリオ理論によるリスクコントロールができにくくなって来ているのは事実です。


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