2011年3月6日日曜日

世界市場への分散投資はもはや効果がないのか?


世界経済はそのスピードと関連性において、もはや一体化したと言ってもよいのではないでしょうか。

特に投機マネーは24時間、眠ることなくどこの市場であろうと常に動き続けています。

東京市場もその中に組み込まれて、前夜のロンドン、ニューヨークの株価や債券等の動きが朝の東京市場に色濃く影響が出るようになって来ています。

そのため世界市場への分散の効果が無くなってきていると言われています。
果たしてそうなのか?

検証してみました。

図1は、日経平均、ニューヨークDOW、ドイツDAXの過去5年間の変化を示しています。
縦軸は各平均値を100%としたときの割合で表しています。

日経平均はDOWやDAXに比較し上下に大きく変化しています。
5年間の高低差と標準偏差(リスク σ)は、

日経平均 87% σ=26%
DOW  67% σ=15%
DAX  71% σ=16%

DOWやDAXに比較し、日経平均はかなり「リスクが高い」と言えます。

では日経平均は、そのリスクに見合うリターンがあったのでしょうか?

DOWやDAXはリーマンショック直前の値を既に回復し、今や過去最高値が視野に入ろうとしています。

方や日経平均は、現在もリーマンショック直前の値に程遠い状況です。
ましてや過去最高値などは夢の又夢です。

2009年7月以降のグラフでは、DOWやDAXの力強い回復に比較し、日経平均の低迷ぶりがくっきりと示されています。

それでは、各市場間の相関はどうでしょう?

図2に各年度ごとの市場間の相関の推移を示しています。

日経平均とDOWの相関は青線、日経平均とDAXの相関は緑線、DOWとDAXの相関はオレンジ色で示しています。

DOWとDAXの相関が極めて強く0.94~0.99となっています。

日経平均については、リーマンショックのあった2008年度については欧米市場と強く結びついていましたが、その前後では0.7~0.83とやや相関がゆるくなっています。

特に昨年(2010年)の日経平均はDOWとは0.6、DAXとは0.43と関連がかなり薄くなって来ています。

これは株価の回復に明確な差があるためにこのような低い相関となったものです。

以上からの結論として、

○世界市場への分散の効果は、最近高まっている

○東京市場はリターンが低い割にリスクが大きすぎる


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