2010年5月30日日曜日

どうしたらよいか変額年金保険(その1)

正しくは、「変額保険」、または満期保険金を年金で受け取るものを「変額個人年金保険」といいます。

変額保険は、1986年10月に発売され、バブル期は極めて利回りのよい商品でしたが、バブル崩壊後は、極端に運用利回りが悪化し、元本割れが続出したため大きな社会問題となりました。

特徴は保険金額が資産の運用実績に応じて変動するとともに、満期保険金(解約返戻金)及び年金額も増減します。
ただし基本保険金額は最低保障されます。(販売会社により一部保障内容が異なります。)

この保険は、特別勘定により保険料を株式や債券を中心に運用する投資信託に類似した商品であり、ハイリスク・ハイリターン型の保険です。

バブル後の状況とは異なりますが、現下の低い利回りに困惑されておられる方も多いと思います。

今一度、契約内容とご自身のニーズを比較し、よろしければ私の意見などもお役に立てていただけたら嬉しいです。

変額保険
○有期型
保険期間(保障期間)が一定で、満期になると満期保険金が受け取れます。
保険料は、満期まで払込する方式となります。(積立方式)
満期保険金は、運用実績により変動し、最低保証はありません。
保険金には最低保証(基本保険金)があり、運用実績により基本保険金額を上回った場合は、基本保険金に加え上回った分の変動保険金が支払われます。
中途解約においては解約返戻金がありますが、運用実績しだいで増減し元本保証はありません。

○終身型
一生涯の死亡保障が得られます。介護等で資金が必要な場合にはで中途解約により解約返戻金が得られますが、運用実績しだいで増減します。

・積立方式
保障は終身ですが、保険料は一定期間、または一定年齢まで積み立てる方式です。

・一時払方式
保険料を契約時にまとめて支払う方式で、運用先が債券を主としたものなら、積立方式よりも利回りを大きくすることができます。


変額個人年金保険
変額保険(有期型)の満期保険金を年金として受け取れます。
保険料は、「積立式」と「一時払い」があり、利回りは一時払いに優位性があります。
年金原資は、満期保険金なので、運用実績により変動し、最低保証はありません。
年金の受取は、「年金額が固定」のものと運用実績により「年金額が変動するもの」を選ぶことができます。

また、年金の受取期間は、次のタイプの分けられます。

○一生涯受取タイプ(年金額は低い)
・保障期間付終身年金(長生きな人向き)
・保障期間付夫婦年金(どちらかが生きている限り受け取れる)

○一定期間タイプ(年金支払額が高い)
・確定年金(最も年金支払額が高い)
・保障期間付有期年金(次に年金支払額が高い)

■変額保険、変額個人年金保険に対する私の意見
最初に、最近の変額年金保険をとりまく状況はたいへん厳しいものがあります。
世界的な景気低迷による運用利回りの低下、円高、そしてユーロの信用不安などです。

このような状況から運用難となった変額年金保険が多く、この3月までに多くの保険会社が撤退したり販売を停止しています。

既契約者の中には、このような状況から契約を継続すべきかどうか迷っておられる方も多いのではないかと思います。

その際の判断基準は次のとおりにお考えいただけばよいと思います。
1 変額保険の終身型(終身保険)として契約された方
・500万円以下の額で契約された方は、終身保険として継続されてもよいでしょう。
・高額な契約をされた方は、長期の投資としては利回りが悪いので、多少の元本割れ覚悟で貯蓄性の商品か、インデックスファンドなどの手数料の安い投資信託に乗り換えることをお薦めします。

2 老後資金準備として変額個人年金保険を契約された方
・投資先が、外国株式や債券などの場合は継続してもよいでしょう。
・満期が5年程度と近づいた方以外は解約をお薦めします。

3 スイッチング可能な方
・国内株式、債券型のものから外国株式、債券型にスイッチできるなら、継続してもよいと思います。

続く
どうしたらよいか変額年金保険(その2)


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