分散投資でもっとも重要なことは、アセットアロケーションです。
どの資産区分にどれぐらいの割合で投資するのかで、投資の正否がほぼ決まってしまうと云われています。
ここでは、ポ-トフォリオによる収益要因分析を具体例で計算してみます。
ベンチマークとして、
収益率8%の株式を50%保有
収益率2%の債券を50%保有
とすると、このポートフォリオの収益率は、
8%×50%+2%×50%=5%
その後、資産配分を変更した場合のポートフォリオを
株式を70%に変更、その後収益率は10%に上昇
債券を30%に変更、その後収益率1%に低下
とすると、このポートフォリオの収益率は、
10%×70%+1%×30%=7.3%
になり、収益率は5%から7.3%に増加しますが、それが何による効果なのかは次の分析のとおりです。
株式について、銘柄選択による効果とアセットアロケーションの効果は、
銘柄選択による効果
収益率8% → 10%、保有比率が50%なので、
収益率の差(10%-8%)×50%=1%が銘柄選択による効果となります。
アセットアロケーションの効果
株式の保有を50%から70%にした効果であり、
保有比率の差(70%-50%)×収益率8%=1.6%がアセットアロケーションによる効果となります。
それぞれの効果の複合要因は(10%-8%)×(70%-50%)=0.4%
債券については、
銘柄選択による効果
収益率2% → 1%、保有比率が50%なので、
収益率の差-1%×50%=-0.5%が銘柄選択による効果となります。
アセットアロケーションの効果
債券の保有を50%から30%にした効果であり、
保有比率の差(30%-50%)×収益率2%=-0.4%がアセットアロケーションによる効果となります。
それぞれの効果の複合要因は(1%-2%)×(30%-50%)=0.2%
以上を合計すると、
株式について
銘柄選択による効果 1%
アセットアロケーションの効果 1.6%
複合要因による効果 0.4%
債券について
銘柄選択による効果 -0.5%
アセットアロケーションの効果 -0.4%
複合要因による効果 0.2%
合計すると+2.3%となります。
つまり、アセットアロケーションを変更したことで収益率が5%から2.3%増加した要因は、上記の6つの効果に分けられ、アセットアロケーションによる効果が大きいことがわかります。