最初に私が「個人年金保険」を取り上げる目的は、「貯蓄性」の良否を比較することにあります。
保険として見た場合には、多少の違いはありますが、大半の方が興味をもたれていることは自分年金を準備する場合の「利回り」であると考え、そのことのみ評価したいと思います。
さて、あいおい生命の「積立利率変動型個人年金保険(無配当)」の特徴は、積立利率が日本国債の利回りに応じて毎月見直しされ、基本年金に加え増額基本年金・増加年金が受け取れることです。
国債利回りは現在1%前半の極めて低金利で安定していますから、30年後を見通せば大幅な金利上昇の可能性があります。(10%超のハイパーインフレの可能性もあります。)
したがって長期で積立運用をする場合、現状としては固定金利商品よりも変動金利商品に優位性があります。
あいおい生命の「積立利率変動型個人年金保険(無配当)」の現時点の利回りは、同社ホームページのデータより推定するとつぎのとおりとなっています。
30歳男性
口振月払保険料 22,990円
60歳払済、60歳から年金支払い開始
基本年金額 100万円(10年確定)
60歳の年金支払い開始時点で積立額が1000万円(100万円×10年分)とすると積立期間の平均利回りは、
1.272%(推定値)
となります。
注:あいおい生命では60歳満了時に10年確定年金の金額(基本年金額)は保障していますが、解約返戻金の金額は補償していません。
東京海上日動あんしん生命の個人年金保険(固定金利)では、この間の積立利率が1.18%(推定)ですから約0.1%あいおい生命に利点があります。
また年金支払期間も含めたトータルとしての利回りも以下に比較してみました。
注:積立期間及び年金受取期間とも同一の利回り(平均利回り)として計算しています。
あいおい生命 0.94%
東京海上日動あんしん生命 0.87%
したがって10年間の確定年金を受け取るとした場合にも、あいおい生命に利点があります。
利回りの差が0.07%ですからたいしたことはないように思われますが、年金額で比較すると、
あいおい生命 100万円
東京海上日動あんしん生命 98.7万円
1年間で1万3千円、10年間で13万円の差になります。
以上については、現時点の推定利回りについて比較をしました。
その結果、固定利回り商品に対してもあいおい生命の「積立利率変動型個人年金保険(無配当)」は優位性を持っていることが分かりました。
そして今後30年間の金利動向を考えれば、変動金利商品には絶対的な優位性があると考えられるため私はこの商品をお勧めします。
あいおい生命のソルベンシー・マージン比率(2011年3月末現在)はこちらをご覧ください。
参考
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