2010年5月10日月曜日

住宅を買おうと思っている方へ(その3)

最後に、いつ「家」を買うべきかについてのアドバイスです。

まず考えるべきは、自分自身のライフサイクルについてです。
30~40歳台は、結婚、育児が中心で、もしかしたら転勤、転職等の可能性もあります。
50~60歳台は、子供の独立、再就職、両親との同居、介護等の可能性があります。
定年以降、平均余命は男性が23年、女性は28年もありますから健康不安、介護生活等は十分考慮されなければなりません。

家についても、寿命サイクルがあり、1戸建てもマンションも耐用年数は30年程度ですし、10年毎に補修が必要です。
それに床面積や間取りはリフォーム(再投資)しない限り固定されてしまいます。
したがって自分自身のライフサイクルと家の寿命サイクルをどのように適合させるか慎重に検討が必要です。

例えば、30歳台で1戸建てを購入した場合、定年時点では建て替え時期となります。
ましてや、定年まで転勤、転職もなく家族と一緒に暮らせる可能性はそれほど高いとは思えません。

転勤などの場合、単身赴任や他人への賃貸が選択支となりますが、二重生活による不経済や父親不在による家庭教育の問題、自宅を賃貸にした場合には住宅ローン減税が適用されないなど、マイナス面が多くなります。

家は「夢」の要素が多く、現状では税制面からの後押しや、デフレや低金利などの環境条件から実現しやすくなっています。
しかし10年後、自分自身がどうなっているか、社会がどうなっているかが見通せない不透明な中、人生の大きなリスクを取る時期は慎重に考慮しなければなりません。

以上から、私のアドバイスは、10年後がある程度見通せる時期、子供が独立し夫婦2人の生活となるころ、定年が10年以内となったころに「家」の購入をお薦めします。

それまでは、しっかり頭金を貯蓄し、できれば退職金などを含め、現金で「家」を購入するのが最も経済的で、リスクが少ない方法です。

そうすることで、若い頃は家族構成や仕事の都合に合わせて柔軟に住居が替えられ(社宅等に住むと、住居費が下げられるので利益が大きい。)、「家」を購入した定年後のセカンドライフにおいては一生涯建て替える必要もなく、家のメンテナンス費用も少なく、建物自体も残存価値で売却できるので、資産の保全が図れ、老後生活において多様な選択支を確保できます。


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