2010年4月19日月曜日

リスクってなに?


投資経験者の皆さんには、リスクは言わずもがな、身にしみて理解されておられると思います。
しかし統計学により定量的に算出されたリスクを理解している人はあまり多くないと思います。

投資証券の値上がりもリスクって知ってました?
投資対象の価格は常に変動しています。
その変動(バラツキ)がリスクなのです。
変動ですからプラスもマイナスも含まれ、当然プラスもリスクになるのです。

それがどうしたって?
まあまあ、リスクを理解するため少しお付き合いを願います。

さて、ややこしい話は飛ばして、そのバラツキを表す指標として「標準偏差」が使われます。
(計算としては、期待収益率 → 分散 → 標準偏差)
投資家は、リターンの大きな投資対象ばかりに注目しがちですが、大きなリターンは大きなリスクとなります。
「山高ければ、谷深し!」です。

逆に言えば、リスクの大きな投資対象にはそれなりのリスクプレミアムが付くと考えた方がよいかも知れません。

この図は私が作ったリスク&リターンマップです。21年4月から本年3月までのデータです。
各点は、それぞれのリスクとリターンの値から座標にプロットしています。

リスクフリーレート(日本国債の利回り)の点から各点に直線を引けば、いわゆるシャープレシオになります。この直線の傾きの角度が大きいほどリスクが小さく、リターンが大きいことになり、より魅力的な投資対象ということが言えます。
図からは、トヨタが少し魅力的な位置にありますね。
FX(ドル/円)は図の右はじにあるので、リスクばかり大きく、リターンがありません。
為替は株式のように富を生産しませんから、いわゆるゼロサムゲームとなり、全員が勝者となることは決してありません。
それにインターバンク市場は、プロもアマも同じ土俵なので、プロとガチンコ勝負する世界なのです。
BRICSはマイナスのリターンとなっています。
BRICS投資については市場が小さいことによるシステマチック・リスク(市場リスク)が大きいため注意が必要です。

このような図を作ってみると、リスクが定量的に理解できるのではないでしょうか。